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affection-情愛-4/N ページ46

その言葉に、ビクンってオレの体が跳ねた。


心臓がバクバクいって、表情が凍りついていくのが判る。


「ニノ?」


不思議そうにオレの顔を覗き込んだリーダーを


縋るような思いで見つめた。


あぁ・・・・


さっきの夢とおんなじだ・・・。


もう、逃げられない・・・。


結末が一緒かどうかなんて


判らない・・・・・・。


この人に


オレは否定されるかもしれない


でも・・・・


それでも、言わなきゃ・・・・・・。


「あのサ・・・。」


掠れた自分の低音に違和感を覚えながら


その先を紡ぐ。


「オレのこと、気持ち悪いだろ?」


冗談ぽく笑って


なるべく平気なフリして言った。


「だってアナタ・・・・。
オレに頭乗っ取られたんだよ?
普通、そこまでされたらオレが気色悪いでしょ?」


泣きそうになるのを堪えて


なるべく軽く笑って


大野さんにそう告げた・・・。


そしたら


いつもならつられて笑うくせに


全然、笑わなくて


真剣なまなざしでオレを捉えて


「どうしてそんなこと言うの?」


言葉を紡ぐ。


どこまでも澄んだ鳶色は


オレを捉えたまま


怖くて本当は悲鳴をあげるオレを


まるで見透かしたみたいに


真っすぐに見つめたまま


離そうとしない。


「どうして?
言ったじゃん、気持ち悪くなんて思う訳ないって。」


ダメだ。


ダメだって。


その先を言われたら


もう我慢できない。


「言ったじゃん、俺、ニノが何でも話せる相手になるって。」


ほら、バカ。


判ってて言ってるでしょ?


オレから


ぽたぁんって


生あったかい滴が伝っていくの


判ってて言ってるでしょ?


「俺はニノの味方だよ。」


ふにゃあっていつもみたいに笑って


背中を優しく何度もポンポン叩かれて


溢れる涙はとめどなく流れていく。


オレだっていい大人だっていうのに


情けないったらないよ


両手で自分の口を押さえても


漏れる嗚咽を止めることが出来なかったから・・・。


「俺はニノの味方だから・・・。」


囁くように呟いたその言葉に


オレを肯定してくれるその人に


あぁ・・・


心は温もりで満たされて


頬に止むことなく


透明な滴が零れ落ちていく・・・。

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設定タグ:大野智 , 二宮和也 , 大宮   
作品ジャンル:SF
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作者名:あさり | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/a-ground/  
作成日時:2012年3月26日 22時

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