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affection-情愛-1/N ページ43

「ねぇ、『青の6』イケるんじゃない?」


「うん。」


たくさんの歓声と


そこを埋め尽くす笑顔。


「いや、『黄色の9』かな?」


「そうだね。」


隣にいて相槌を打つのは


いつも一緒にいる人。


「それとも『赤の4』?」


「うん、大丈夫そう。」


そう、この人は


基本オレを肯定する人。


「・・・・・・・・。」


キャーキャー


ワーワー


聞こえる歓声の中


音声さんに声を拾われないように


肩でちょっと小突いた後


そっと耳打ちした。


「ねぇ、さっきから『うん』とか『そうだね』ばっかで、アナタちゃんと考えてる?」


ふわっとした視線がオレを捉えて


いつもみたいにふにゃんって笑って


「考えてるって。」


答えてたの見て


あぁ、これ夢だってわかった


だって


その時に少し降りた前髪が微かに揺れて


陽光みたいな明るいそれが


ライトで綺麗な金色に輝いて・・


それって


今現実のその人の髪色じゃなかったし


今の本当の彼より


髪の毛が少しだけ長かったから


「コレ、オレの記憶だわ」って


簡単に理解できた


そしたら


急に真っ暗になって


周りに誰もいなくなって


歓声も何もかも掻き消えた


気がつけば


目の前に立つその人と2人っきりで


オレは


恥ずかしいぐらい


じっと彼を見つめていた


夢だって思ったから


きっと自分に都合よく


でまかせな現実を見せてくれると思ったから


敢えて聞いてみたんだ・・・・。


「ねぇ・・・
オレのコト、気持ち悪くない?」


「そんなことないよ。」


やっぱそう、都合のいいまやかし。


「だってアナタ・・・・。
オレに頭乗っ取られたんだよ?
普通、そこまでされたらオレが気色悪いでしょ?」


そう言うとその人は、やっぱりふにゃあっていつもと同じ笑顔浮かべて


「俺はニノの味方だよ。」って・・・


くしゃくしゃって頭を撫でてきた・・・。


自分の頭が作り出す


都合のいい現実は


それでもオレを安心させてくれて


夢の中、不覚にも


その人の前で涙を流した


でもそれはオレが作り出した幻影で


実際にはその人がオレをどう見るか判らない。


目が覚めてその人が


オレを否定したら?


それが


どうしようもなく怖かった・・・。

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設定タグ:大野智 , 二宮和也 , 大宮   
作品ジャンル:SF
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作者名:あさり | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/a-ground/  
作成日時:2012年3月26日 22時

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