spiral-螺旋-6/J ページ22
走って・・・・
走って・・・・・
ひたすらに街を走りまくって・・・。
どんどん増えていく追手を振り払うように逃げても、また次の追手に見つかって休むことなく賑わう街を走り続ける。
走り続ける俺達はだんだんと追い詰められていく。
袋小路に追い詰められていくように逃げ道は塞がれていき、小さな路地裏からもう身動きがとれなくなっていた。
肩で息をして、顔を歪ませた翔さんを相葉さんが気遣う。
「大丈夫?翔ちゃん。
だいぶ走ったから、苦しいよね?」
コクコク頷いて言葉なく大丈夫だと告げる翔さんの背中を、相葉さんは優しくさすり続ける。
「無理しないで。
少し呼吸が整うまで背中さすってるから。」
「サンキュー・・・な。」
翔さんはそう言うと深呼吸を繰り返しながら周りの様子を伺った。
「ダメだ・・・。
ここからとても逃げ出せそうにない!!」
翔さんは冷静に分析して、辛辣な答えを出す。
「どうしよ・・・。
オレら、このまま訳わかんない状態で指名手配犯として逮捕されちゃうの?」
相葉さんが爪をキチッと音を立てながら、焦りをその顔に乗せて噛む。
・
・
・・・どうする?
このまま掴まったら・・・
俺達どうなるんだろう?
3人とも捕まったら・・・・
ニノやリーダーを誰が助けるんだろう?
どうすればいい?
どうすることが
一番ベストの方法だ?
・
・
・
・・・・・・・・・・・そっか。
答えなんかとっくに出てるじゃねえか。
自分を犠牲にしてでも
最も確実な方法をとることが
俺達5人の為に
ベストな選択肢じゃねぇかよ。
・
・
「相葉さん、今から俺が囮になる。
俺が惹きつけるからその間に翔さん連れて逃げろ。」
俺の言葉に相葉さんが目を見開いた。
「松潤!!
ちょっと何考えてんの?!
そんなことしたら、お前が捕まっちゃうだろ?!」
「相葉君の言う通りだ!!
松潤、馬鹿なこと言うなよ!!」
「じゃあこのまま3人とも捕まるのか?!
そしたら誰がリーダーとニノ助けるんだよ!!
大丈夫、上手くやるさ。」
「相葉さん…。
翔さんのコト守って逃げ切ってみせろよ?」
不敵に笑った俺に相葉さんは力強く頷く。
相葉さんの笑顔を確認すると、俺は追手の前に飛び出した。
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作者名:あさり | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/a-ground/
作成日時:2012年3月26日 22時