spiral-螺旋-3/J ページ19
赤貝を食べながら翔さんがぼんやりテレビを見ていると、よく知ったオープニングが流れた。
・・・・ZERO。
こんな形で見ることになるとは思わなかったな。
苦笑いを浮かべて、ぼそりと翔さんは呟く。
俺もその言葉に画面を眺めていると、その後はいつもとは違う展開が待っていた。
いきなり、報道フロアの映像が流れる。
そしてある速報を視聴者に伝えた。
「・・・・速報が入りました。
午後10時45分、公安警察は
櫻井翔、相葉雅紀、松本潤の3名を破壊活動防止法違反により、全国に指名手配いたしました。」
その言葉に俺達は一斉にテレビにくぎ付けになった。
テレビの画面では、凶悪犯扱いの俺達の顔が映し出されている。
「なにコレ?!
ちょっとどうなってんの?」
完全にテンパッてる相葉さんの背中を優しく撫でると、
「とりあえず、ここ出よう。」
翔さんはキャップを目深にかぶり、俺達を店外へと促した。
・
・
店を出て誰も通らない薄っ暗い路地裏に入ると、翔さんは押し黙ったまま腕を組んで空を仰いだ。
「ねぇ、翔ちゃん。
一体どうなってんの?
オレ達なんで指名手配なんてされなきゃいけないんだよ!!」
「落ち着けって!!相葉さん!!
俺だって、翔さんだって何がなんだかわかんないんだから!!」
俺の叫びに空を仰いでいた翔さんは静かに言葉を紡いだ。
「いや…一個だけ解ったことがあるぞ。」
「何?なんなの、翔ちゃん!!」
「破壊活動防止法違反だろ?
すっごく簡単に言うと、おれ達国家転覆を狙った犯人ってことにされてるんだ。
完全にテロリスト扱い。」
「テロリスト?」
「うん、普通こういった犯罪は公安が動くんだ。
どうしておれ達がテロリスト扱いで公安に追いかけられなきゃいけない?
誰がそんなことできる?」
「………。」
「…今日はおかしなことばかり起こってるだろ?
みんなから嵐の記憶が消えて、誰もおれ達のことわかんないし、ヘンな奴らに追い回されるし…。」
「この二つのこと、おんなじ奴らがやってると思うんだよね。」
翔さんの言葉に思わず息をのむ。
「誰だよ?」
「・・・国家だよ。
この歪んだ鬼ごっこは・・・、
国家VS嵐・・・・そう思わないか?」
あまりの翔さんの言い分に、俺は言葉を失った。
ラッキーナンバー
8
278人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あさり | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/a-ground/
作成日時:2012年3月26日 22時