spiral-螺旋-13/A ページ29
ふいに赤い光が翔ちゃんの眉間を捉えているのを目にとどめた。
思考が停止して体じゅうに冷たい何かが走り抜ける。
・・・背後に立った男の銃が翔ちゃんの頭を狙っていた。
「これ以上やったら」
「このままこの拳銃の引き金を引く。」
「いいのか?
コイツの頭が吹っ飛ぶぞ?」
その言葉に自分の奥歯をギリッと噛み締めた。
「あ・・・くっ・・・っ!!」
燃えるような感覚は収まることを知らず、今まだ自分の体の中で暴れている。
・・・ダメだ。
ダメ・・・、押さえないと・・・
何とか押さえないと・・
翔ちゃんがころされちゃう・・・
爪が食い込むほど強く、自分の体を抱きしめた。
静かに・・・、
子供をあやすように・・・
感じていた熱を鎮めていくと、やっと炎の勢いも失われていった・・・。
・
・
・
「いったい!!!
もうちょっと丁寧に扱えよな!!!」
アイマスクをつけられ、後ろ手に縛られたオレは、そのまま車の後部座席に押し込められた。
と、同時オレの体の上に何かが降ってくる。
「う・・・ん・・・・。」
降ってきた温かいモノが・・・
小さな声で呻いたのと
その人の匂いで
翔ちゃんだと判った。
「全く手間取らせやがって・・・。」
前に座っているであろう男の声が聞こえる・・・・。
「鏑木所長が待ってる・・・。
こいつらも急いで連れて行こう・・・。」
・・・何処に連れてかれるんだろう?
そう思いながらも、今から行く場所にニノとリーダーがいるんだと思うと、不思議と怖くは感じなかった。
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作者名:あさり | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/a-ground/
作成日時:2012年3月26日 22時