おまけ ３ ページ14
「俺のジャージの下知らない？」
後頭部を掻きながらたずねるえおえおに、リビングで本を読んでいたあろまが、知らないと返す。
明日は授業で体育があるから準備をしているのだが、体操着のジャージが見当たらない。
さすがに風が冷たい中、ハーフパンツで臨むのはいただけない。
「洗濯物の中に無いのか」
「見当たんねぇんだよなぁ」
「箪笥の奥の方とかは？」
探し漏れかなぁ、なんて呟きながら、もう1度自室を探すべくえおえおがリビングを離れる。
それと入れ違うように、やけに笑顔のFBが、リビングにやってきた。
「あれ？今えおえお居なかった？」
「今部屋に戻ったぞ」
「そう。じゃあいいや。あろま見て見て！」
ほらぁ、と弾んだ声を出したFBに、あろまが短く「あっ」と反応をした。
FBがあろまに見せたのはAだった。
だがただのAではない。
Aは何故か成人用ズボンを履かされていた。履かされたと言っても、体躯にあっていないため、腰の位置が辛うじて小さな肩に引っかかっているだけの状態だ。
動き難いのか、Aは酷くぶすくれた顔をしている。
「Aちゃん、可愛くなぁい？」
ねぇねぇ、と御満悦なFBに、Aの顔見てみろ、とあろまが指摘するが、FBは気にしていないみたいで、しきりに可愛い可愛いと誉めそやしている。
すぐに気付いたのだが、Aが履かされているズボンは、えおえおが今探し回っている学校指定の体操着だった。
「この丈が余りすぎてるのなんかペンギンみたいじゃない！？」
「余りすぎてるっつぅか、完全に地面に擦ってるよな、それ」
あろまのどんな指摘にも、FBは気にした様子なく、Aを愛でている。
そうは言っても、着せられているAは可愛いので、あろまもスマホのカメラを起動させた。
数分後、ようやく体操着を見つけたえおえおにFBが正座させられていた。
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作者名：ねい | 作成日時：2017年8月28日 22時
