59話(side：Ｋ) ページ9
「えふびぃ、あろま！」
待ち合わせの神社の鳥居前に、見知った2人を見つけたAちゃんが駆けていく。
Aちゃんを見つけたFBは口元を手で押さえてるし、あろまは地面に突っ伏している。
多分Aちゃんが可愛くて の状況なんだろうけど、流石にあろま、人目に付くところで地面に突っ伏すのやめろよ、人の目がいたいわ。
「きっくん……グッジョブ」
真顔で親指立てられた。あろまに。
「いいねぇAちゃん。浴衣可愛いねぇ、似合うねぇ！」
「きっくんがねぇ、着せてくれたの！」
かわいい？
そう言ってくるっと一周回るAちゃん。
袖を持ってちょっとポーズとるのがめっちゃ可愛い。
FBとあろまがこのAちゃんを見て、幼女尊い…なんて譫言のように言葉を漏らすけど、頷くしか出来ない。
これには俺もえおえおも完全にノックアウトですわー！
こうしておっさん4人が、鳥居前で幼女を囲んで頭を抱えるという、正にカオスな現場が出来上がってしまった。
「お店がいっぱい！」
本殿へ続く境内の脇には、たくさんの屋台が並んでる。
神社自体も大きいし、人も大勢いるから、この夏祭りはこのあたりでは結構有名なのかもしれない。
頭の上でゆらゆら揺れる提灯や、威勢のいい呼び込みに、Aちゃんの顔がわくわくしてる。
「Aちゃん、何食べたい？」
「んーと、んーとね」
「俺たこ焼き」
「焼きそばー」
「とうもろこしー」
「Aちゃんに聞いてるんですー！」
おっさんが3人揃って俺の服を引っ張るんじゃない！
口を尖らせたって可愛くないんだよ！
「とりあえず、食いたいもん適当に買って食おうぜ」
腹減った、と言いながら人混みに消えていくあろま。
あの子は本当に自由だね、全く。
この少し先に広めのスペースがあるってえおえおが教えてくれたから、30分後にそこに集合することにして、別々に行動する。
「じゃあ改めてAちゃん、何食べたい？」
「……あれ。りんごあめ」
りんごあめ、と書かれた暖簾の下には、赤い飴にコーティングされたりんごが、提灯の明かりにキラキラと輝いている。
それ以外にもいちご飴やぶどう飴も並んでいる。
青や紫の飴にコーティングされたものもあって、目移りしてしまう。
「他にも食べるから、小さい方の飴にしようか」
姫りんご飴、と書かれた小さい方のりんご飴を買ってあげると、小さな両手でしっかりと握り、ありがとうと嬉しそうにAちゃんが笑った。
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ねい(プロフ) - ひろひろ花さん» ひろひろ花様、コメントありがとうございます。一気に読んで頂けるとか感謝感激です。頻度はまちまちですが、今後もこんな感じで続けていこうと思っておりますので、お付き合い頂けますと幸いです(*´∀｀*) (2017年9月6日 10時) (
レス) id: 6c8b868609 (このIDを非表示/違反報告)
ひろひろ花(プロフ) - パート1から一気に全部読んでしまいました、読みやすいし素敵な内容でめっちゃ好きです…！続きお待ちしてます〜！頑張ってください、応援してます！ (2017年9月3日 23時) (レス) id: c83e1355fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねい | 作成日時：2017年8月21日 23時
