56話(side：Ａ) ページ6
「おーし、次はこれとこれだぁ！」
「きっくんすごーい！」
「でしょでしょ〜？次はねぇ、こっちとこっち！」
「……お前ちょっとは手加減してやれよ」
溜息を吐くえおえおの言葉に、俺も同じ事を思う。
リビングの絨毯の上に拡げられたトランプ。
現在、きっくんとAが神経衰弱に興じている。
えおえおは後ろから、時々Aのサポートをしているけど、明らかにきっくんの方が沢山カードを取っている。
きっくんは、勝負に手加減は不要、とか言ってるけど、Aは何だかんだ楽しそうに笑ってるし、いいのか…？
そんな中、FBは今日もなぜかこの家でぐーすか寝こけている。
てか人ん家来てまで寝るなよ。
寝るなら来んなよ。自分家で寝てろ。
「えおえお、ペン無いか、ペン」
「ペン？」
よっこいしょ、と立ち上がってペンを探しに行くえおえお。
ちょうどきっくん達の勝負もついたらしく、負けたらしいAがちょっとしょんぼりしてる。
ほんとに手加減しなかったのか、きっくん。
「あろま、ペン」
「サンキューえおえお。A、お絵描きしようぜ」
えおえおから受け取った油性ペンのキャップを開けて振り返る俺は、相当悪い顔をしていたらしい。
後々2人から、「悪いあろま、わろまだ」って言われたから。
お絵描き、と聞いて近寄ってきたAを、FBの近くに座らせる。
「おえかき…？」
「そう、お絵描き。
A知ってるか？世界に名を残す有名な画家達は、白いキャンバスにだけ絵を描き続けてきた訳じゃないんだぞ？」
本当かどうか知らんけど、Aを言いくるめて、寝てるFBの顔にペンを走らせる。
鼻の下にヒゲを描くのは定番だろ。
あと頬に渦巻き。ついでに猫ヒゲも描いてやるか。
おっと、額に肉は忘れずに描かないとな。
ふんふんと鼻歌を歌いながら描く俺を見て、恐る恐るAも落書きをしていく。
子供らしく可愛い猫や花の絵が、FBの顔に増えていく。
ちょ、Aさん、可愛い字で
「えふびぃ あろま きっくん えおえお」
とか書くのやめて。可愛すぎて泣いちゃうから。
じょうず？と笑顔で聞いてくるAの頭を撫でて、上手に描けたな、と褒めてやった。
とりあえず、顔いっぱいに落書きされたFBは記念に撮っておいた。
主にAが描いた部分をな。
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ねい(プロフ) - ひろひろ花さん» ひろひろ花様、コメントありがとうございます。一気に読んで頂けるとか感謝感激です。頻度はまちまちですが、今後もこんな感じで続けていこうと思っておりますので、お付き合い頂けますと幸いです(*´∀｀*) (2017年9月6日 10時) (
レス) id: 6c8b868609 (このIDを非表示/違反報告)
ひろひろ花(プロフ) - パート1から一気に全部読んでしまいました、読みやすいし素敵な内容でめっちゃ好きです…！続きお待ちしてます〜！頑張ってください、応援してます！ (2017年9月3日 23時) (レス) id: c83e1355fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねい | 作成日時：2017年8月21日 23時
