87話(side：Ｅ) ページ37
「……腹減った」
時刻は深夜12時半。
動画の編集に没頭してて、気付いたらこんな時間だ。
画面を見すぎた目はしょぼしょぼするし、凝り固まった肩が痛い。
回すたびにゴリゴリ言う。怖い。
時間も時間だし、結構先の分まで出来たから、もう寝ようかと一息ついた時、微かな空腹を感じた。
別にそのまま寝ることも出来るけど、軽く小腹に入れてから寝ようか、と腰を上げた。
「……お兄ちゃん」
ゴソゴソとキッチンを漁っている音で目が覚めたのか、入口のところでAが目を擦りながら立っていた。
寝惚けているのか、俺の首に抱きついてきて、肩にグリグリと額を擦り付ける仕草はAの甘えている仕草の一つで、可愛いから結構好きだったりする。
「どした、A」
「お腹空いた〜」
きゅるる、とAの腹が可愛らしく音を立てる。
やっぱりAも腹減るか、普段より1時間早く晩飯食うと。
それじゃあAの分も何か用意しようと色々探すけど、炊飯器の中は空だし、これといったおかずもない。
どうしたものかと迷ってるところに、チキンラーメンの袋を見つけた。
「夜中に結構重いけど、これ半分こするか」
それで丁度いいくらいになるだろう。
丼に袋から出した麺を入れて、ケトルでお湯を沸かす。
その間に、冷蔵庫で見つけた卵を1個、真ん中の卵ポケットに投入。
湧いたお湯を丁寧に白身にかけると、あっという間に透明だった白身に色が付く。
その変化が面白いらしく、Aがじっとチキンラーメンの卵を見つめている。
蓋をして少し待ったら、硬さを残した麺と、トロトロの卵が入ったチキンラーメンの出来上がりだ。
「おいしそう！」
「取るからちょっと待ってな」
黄身を割って、麺と絡めるようにA用の取り皿に取る。
黄身を纏って艶々と光る麺と、醤油風味のスープの香りが食欲をそそる。
熱いから少しずつ冷まして食べるAは、もぐもぐと口を動かしながら、至極幸せそうな顔をしている。
子供が美味そうに飯食ってる顔ってホントに癒されるし可愛いなって、A見てて凄く思う。
「美味しい？」
「うん、おいひい」
「夜中にこんなの食べてるのきっくんやあろまにバレたら怒られるから、俺とAだけの内緒な」
「ないしょ？」
「そう。内緒出来る？」
元気よく頷くのを見て一安心する俺だけど、後日Aが夜中にチキンラーメンを食べてしまった事をうっかり言ってしまったので、俺がきっくんに怒られる事案が発生した。
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ねい(プロフ) - ひろひろ花さん» ひろひろ花様、コメントありがとうございます。一気に読んで頂けるとか感謝感激です。頻度はまちまちですが、今後もこんな感じで続けていこうと思っておりますので、お付き合い頂けますと幸いです(*´∀｀*) (2017年9月6日 10時) (
レス) id: 6c8b868609 (このIDを非表示/違反報告)
ひろひろ花(プロフ) - パート1から一気に全部読んでしまいました、読みやすいし素敵な内容でめっちゃ好きです…！続きお待ちしてます〜！頑張ってください、応援してます！ (2017年9月3日 23時) (レス) id: c83e1355fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねい | 作成日時：2017年8月21日 23時
