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85話(side:A) ページ35

 
「きっくんの、おててはおっきいね!」


キッチンで洗い物をするきっくんをじっと見ていたAが、不意にそんなことを言う。
特に何かしてた訳じゃないらしいが、子供の関心事は突然やってくるから面白い。
褒められて嬉しいらしいきっくんが、ニヤニヤ笑いながらAと掌を合わせて遊んでいる。


「えおえおの手も大っきいよ、Aちゃん」
「お兄ちゃんはね、背中がおっきいんだよ!」


一緒にお風呂入った時に背中洗うんだけどね、大っきいから大変なの。
ニコニコ笑うAからの爆弾発言に、俺達に話題の大きな背中を向けていたえおえおの肩が跳ねる。
へぇ。ほう。ふぅん。
お前しれっとした顔してAと風呂に入ってるだと?
そんで背中まで流してもらってるだと?
なんだそれ羨ましいだろこんちくしょう。
俺なんか泊まるたんびにAに一緒に風呂入ろうぜって声掛けてんのに勝率ゼロだぞ。
それを、お前は、お前は…。


「俺だってAと一緒に風呂入りたい!」
「あろまの欲望が弾けた!」


ゲラゲラときっくんが笑う。
一応言っておくが、俺は決してロリコンじゃない。A限定だ。そこんとこよろしく頼む。


「じゃあAちゃん、FBは?」
「えふびぃはね、おなかがおっきい」
「お前、お腹、お腹って!!」
「ちょっとAちゃん何その認識!俺のお腹が出てるとでも言うの!?」


真面目な顔で言ったAの一言に、きっくんは腹を抱えて笑ってるし、FBは自分の腹を抱えるようにして抗議している。
いやお前マジでその弛んだ腹なんとかしろよ。


「知ってるかいAちゃん、俺のお腹が大きいのはね、ここに夢と希望が詰まってるからなんだよ」
「ほんとー!?」
「お前の腹に詰まってんのは現実と脂肪だよ」


あろまちゃん手厳しィ、なんて気にした風なく豪快にFBが笑う。
相変わらず声がでかい。


「じゃああろまは何が大きい?」


答えようとするAの耳元に、きっくんが口を寄せて何か耳打ちする。
碌でもない事吹き込んでんじゃねぇぞ、と睨むと。


「あろまはね、器がでかい」


無駄にキリッとした表情をするAの後ろで、きっくんとFBがゲラゲラと笑っている。
おいえおえお、顔逸らしてたって含みきれてねぇ笑い声漏れてんの気付いてんだぞ。


器がでかいと言われる事に悪い気はしないが、何か釈然としないから、とりあえず3人しばく事にするわ。


 

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ねい(プロフ) - ひろひろ花さん» ひろひろ花様、コメントありがとうございます。一気に読んで頂けるとか感謝感激です。頻度はまちまちですが、今後もこんな感じで続けていこうと思っておりますので、お付き合い頂けますと幸いです(*´∀`*) (2017年9月6日 10時) (レス) id: 6c8b868609 (このIDを非表示/違反報告)
ひろひろ花(プロフ) - パート1から一気に全部読んでしまいました、読みやすいし素敵な内容でめっちゃ好きです…!続きお待ちしてます〜!頑張ってください、応援してます! (2017年9月3日 23時) (レス) id: c83e1355fb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ねい | 作成日時:2017年8月21日 23時

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