83話(side：Ａ) ページ33
「あっ、ねこさん！」
散歩の途中で立ち止まったAの視線の先には、茶色のでかい猫がいる。
首輪してないっぽいし、目のあたりちょっと怪我してるみたいだから、きっと野良なんだろう。
「ねこねこポイントたまった！」
「何そのポイント」
「あのねぇ、お外でねこさんにあったら、ねこねこポイントがたまるんだよ。
それがね、10個でいっぱいになるんだよ！」
なにその可愛い制度。
猫に会ったらねこねこポイント貯まるとか、子供の発想めっちゃ可愛い。
そんな話をしていると、茶色の猫はふてぶてしく鳴きながら、人様の家の垣根を越えて、姿を消してしまった。
見送るAは、猫の後ろ姿に小さな手を振って見送っている。
「なぁA。ねこねこポイントが10個貯まったら、何があんの？」
だいたいポイントが貯まると、元値からいくらか引いてもらえたり、景品が貰えたりするが、このねこねこポイントは貯まるとどうなる仕組みなんだろうか。
好奇心からそう聞くと、ちょっと考える風に首を傾げた後。
「ねこねこポイントが10個貯まるとね、また猫さんにあえるんだよ！」
そう元気に教えてくれた。
「あ、ほら、ねこさん！」
とことこと近寄るAの足元には、まだ生後2ヶ月くらいの子猫が、にゃあにゃあ鳴きながら擦り寄っていた。
灰色のトラ？サバ？みたいな模様の子猫は人に随分慣れているらしく、Aが撫でても全然怖がらない。
「あろまも！」
「ん？おう」
Aの隣に屈んで喉の下を人差し指で撫でてやると、気持ちいいのか喉をゴロゴロと鳴らして甘えてくる。
可愛いねぇ、とご機嫌なAの隣で、俺も機嫌よく猫を撫でる。
少しすると、別の猫の鳴き声が聞こえてして子猫が駆け出す。
向かう先には同じ模様の大きな猫がいて、近寄ってきた子猫をぺろぺろ舐めていた。
子猫も甘えるように身体を擦り寄せているから、きっと親子なんだろう。
先導する親猫について、子猫も茂みの中へ消えていく。
親子に手を振って見送った後、Aの手が俺の手を掴んだ。
「またねこねこポイント貯まったから、いつでも猫に会えるな」
俺の言葉に、Aが嬉しそうに笑った。
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ねい(プロフ) - ひろひろ花さん» ひろひろ花様、コメントありがとうございます。一気に読んで頂けるとか感謝感激です。頻度はまちまちですが、今後もこんな感じで続けていこうと思っておりますので、お付き合い頂けますと幸いです(*´∀｀*) (2017年9月6日 10時) (
レス) id: 6c8b868609 (このIDを非表示/違反報告)
ひろひろ花(プロフ) - パート1から一気に全部読んでしまいました、読みやすいし素敵な内容でめっちゃ好きです…！続きお待ちしてます〜！頑張ってください、応援してます！ (2017年9月3日 23時) (レス) id: c83e1355fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねい | 作成日時：2017年8月21日 23時
