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74話(side:E) ページ24

 
「……A、朝だよ」
「……んぅう〜」


ちゅんちゅんと小鳥のさえずりが聞こえる。
最近朝晩が冷えるから、少し厚みのある布団を羽織るようになった。
布団から出た身体にあたる、朝の空気がひんやりしている。
一緒に俺の布団で寝るようになったAも、寒いのか小さい身体を更に丸めて、俺に擦り寄ってくる。
ああ、可愛い。
そう思いながらも、二度寝しそうなAは今日も学校だ。
心を鬼にして、Aを起こす。


「A〜」


ゆさゆさ。
名前を呼びながら身体を根気強く揺すると、眠い目を擦りながら身体を起こす。
ふわ、とあくびが出ると、つられてAも大きなあくびをする。
ゆらゆら頭を前後にさせながら、必死に眠気と戦っているAの手を引いて、洗面所に向かう。


「顔洗おうな、A」
「……ん」


こくり、と頷くAが、蛇口から流れる水を小さな手に掬って、ぱちゃぱちゃと顔を洗う。
さすがに冷水は可哀想だから、ちょっとお湯を混ぜている。
てか俺が辛い。水で顔洗うの。


「たおる〜」


ふにゃふにゃとした声で、両目を閉じたままのAが手をパタパタさせてタオルを求める。
ふわふわのタオルを渡して顔を拭かせると、ようやく頭が覚醒してきたのか、いつもの大きな目がぱっちりと開いている。


「ん。歯ブラシ」


A用のピンクの歯ブラシを持たせ、その上に歯磨き粉をつけてやる。
その隣で俺も自分の歯ブラシを用意して、シャコシャコ音を立てながら歯磨き。
俺の真似をしながら、Aも上手に歯磨きをしている。
うんうん。虫歯とかになったら大変だからな。


「A、あー」
「あー」


ある程度自分で磨かせてから、仕上げにサッと俺が磨く。
Aが痛がらないよう、力加減に気をつけながら、上の歯、下の歯、奥歯を丁寧に磨く。
こうやってAの歯を磨くようになって、子供の歯が小さくて可愛い事に気付いた。


「はい、いいよ」


よく口をすすいだAが、にっと歯を俺に見せてくる。
うん、綺麗。
ここで完全にAは覚醒したようで、いつもの明るい笑顔を浮かべている。
お腹すいたと言ってくるから、俺も歯磨きを終える。


「今日の朝ごはんはフレンチトーストにしようか」
「するー!」


わぁい、と嬉しそうに笑うAに早く早くと手を引かれ、笑みを浮かべながら、朝ごはんの準備をするために、キッチンへ向かった。


 

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ねい(プロフ) - ひろひろ花さん» ひろひろ花様、コメントありがとうございます。一気に読んで頂けるとか感謝感激です。頻度はまちまちですが、今後もこんな感じで続けていこうと思っておりますので、お付き合い頂けますと幸いです(*´∀`*) (2017年9月6日 10時) (レス) id: 6c8b868609 (このIDを非表示/違反報告)
ひろひろ花(プロフ) - パート1から一気に全部読んでしまいました、読みやすいし素敵な内容でめっちゃ好きです…!続きお待ちしてます〜!頑張ってください、応援してます! (2017年9月3日 23時) (レス) id: c83e1355fb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ねい | 作成日時:2017年8月21日 23時

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