68話(side：Ｅ) ページ18
「すいぞくかん？」
「そう。水族館」
しかもちょっと変わった水族館。
沼津駅からバスに乗って15分。
今日来たのは、沼津港深海水族館。
ここは深海魚に焦点を置いて展示している水族館で、シーラカンスの冷凍標本も展示されてるらしい。
もちろん普通の魚も展示されてるらしいが、メインはあくまで深海魚とシーラカンスらしい。
なんでここに来たかって？
深海魚が見たかったからだよ。
入場券を買って、早速中に入る。
そんなに大きな施設じゃないみたいだけど、結構子供連れの親子の姿がある。
とりあえず、近くの水槽から順番に見ていくか。
「ふわぁ…」
深海魚って銘打ってるから、結構アレな感じの魚がいるのかと思ってたけど、見た目なかなか可愛らしい魚も展示されている。
ゆらゆら水槽の中を泳ぐ魚もいれば、底でじっと動かない魚もいる。
その一つ一つを、Aはじっと興味深そうに眺めている。
「ぺったんこだね」
「うん」
「あの子は岩みたい」
「でこぼこしてるね」
「あのお魚きれい！」
ゆらゆらと泳ぐピンク色の魚を指さすA。
ニューカレドニアからの魚は全体的に鮮やかな見た目で、Aも見ていて面白いらしい。
他にもオウムガイやオオグソクムシも展示されている。
今やどこの水族館にもいるのか、グソクムシ。
俺はあいつの目カッコイイと思うんだよね。
「かにー」
駿河湾の水槽には、タカアシガニがその存在感を放っている。
いや、やっぱでかいな、タカアシガニ。
2階の展示スペースに、ケースに入ったシーラカンスの冷凍標本が展示されていた。
頭の先から尻尾の先まで、綺麗な形で残ってるんだな。
大きく開いた口には牙もある。
よく見えるようにAを抱き上げてやると、最初こそ驚いてたけど、すぐにシーラカンスを見つめ出す。
「これが大昔の地球にたくさん存在してたんだって」
「今はいないの？」
「今はどうかなぁ。大きな大陸の人がいないようなところになら、まだいるかもな」
でもまぁこいつが見つかったんだから、もしかしたらまだ生存してるのかもしれないと思うと、なんかあれだな、生命の神秘を感じるわ。
「…おなかすいた」
きゅう、と切ない声を上げるAのお腹。
やっぱり子供は食い気には勝てないか。
かくいう俺も腹が減っているので、そろそろ飯の時間にしよう。
この近くに何か食えるところがあったはずだ。
「何食いたい？」
「おさかな！」
今魚を見てたのにそれを食いたいとか、なかなか強いな、A…。
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ねい(プロフ) - ひろひろ花さん» ひろひろ花様、コメントありがとうございます。一気に読んで頂けるとか感謝感激です。頻度はまちまちですが、今後もこんな感じで続けていこうと思っておりますので、お付き合い頂けますと幸いです(*´∀｀*) (2017年9月6日 10時) (
レス) id: 6c8b868609 (このIDを非表示/違反報告)
ひろひろ花(プロフ) - パート1から一気に全部読んでしまいました、読みやすいし素敵な内容でめっちゃ好きです…！続きお待ちしてます〜！頑張ってください、応援してます！ (2017年9月3日 23時) (レス) id: c83e1355fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねい | 作成日時：2017年8月21日 23時
