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62話(side:E) ページ12

 
「遅いぞあろまー」


出店を回っていたあろまとAが合流した。
その後から、大勢の人が同じように境内の階段を登ってくる。
祭りも終盤に差し掛かって、最後は花火を打ち上げて終わるらしい。
先にきっくんとFBが場所取りしといてくれたおかげで、なかなか良い場所をゲット出来たと思う。


「楽しかった?」


Aを抱き上げて膝の上に座らせながら聞くと、こくりと首を縦に振った。


「みんなとね、お祭りたのしかった」


ちょっとウロウロさせすぎたかな、疲れて眠いのか、目がトロンとしてる。
隣に座るきっくんからも、眠いのって聞かれて、頑張って首を横に振ってる。
こりゃ帰ったらすぐ寝るな、A。
風呂は明日の朝入らせたらいいかな、なんてぼんやり思ってると。



―――ドォン!!



大きな音と一緒に、空が明るくなる。
どうやら花火が始まったみたいで、最初の音でびっくりしたらしいAの身体が大きく跳ねる。
上見てごらん、と教えると、また夜空に大輪の花が咲いた。
次々と打ち上がる、色鮮やかな花火。
輪っかや柳、凝ったものなんかはハートにチューリップなんてのもある。
連続して花火を打ち上げるスターマインも、色鮮やかで、見ているだけで心が踊る。


本当に良い場所を取ってくれたようで、かなり近くで見れているようだ。
大きなものが打ち上がるたび、腹の底に轟音が響く。
でもそんなの関係ないくらい、夜空を照らす花火が凄く綺麗で。
全員無言になるくらい、花火に見とれていた。


「…なんかさ」
「…うん」
「…感動だわ」
「…いや、わかるわ」


次々打ち上がる花火を見ながら、FBときっくんがそんな会話をしてるのを、隣で静かに聞いている。。
それくらい、今日の花火に感動したんだよ。


「お兄ちゃん」
「ん?」
「花火 きれいだね」


俺の耳元で喋るAに、そうだねって返すと、また耳元に口を近付けてきて。


「今日、お祭りみんなでこれて、私うれしかったよ」


初めてAそんなふうに言われたな、と感動してると。


「お兄ちゃん、大好き」


ふふ、とはにかんで笑うAの顔が、ちょうど花火に照らされて良く見えて。
ほんのり赤くなっていたその頬を見て、ああ俺の姪っ子めっちゃ可愛いってなって、思いっ切り抱き締めた。


 

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ねい(プロフ) - ひろひろ花さん» ひろひろ花様、コメントありがとうございます。一気に読んで頂けるとか感謝感激です。頻度はまちまちですが、今後もこんな感じで続けていこうと思っておりますので、お付き合い頂けますと幸いです(*´∀`*) (2017年9月6日 10時) (レス) id: 6c8b868609 (このIDを非表示/違反報告)
ひろひろ花(プロフ) - パート1から一気に全部読んでしまいました、読みやすいし素敵な内容でめっちゃ好きです…!続きお待ちしてます〜!頑張ってください、応援してます! (2017年9月3日 23時) (レス) id: c83e1355fb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ねい | 作成日時:2017年8月21日 23時

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