検索窓
今日:1 hit、昨日:20 hit、合計:568,090 hit

84 - 本編 ページ24

【VS漏瑚4】 死の感覚





腹を貫かれた。
今まで体験したことのない痛みが襲う。


A
「ぁ、ああっ…!」


止まるなダメだ、急いで下がれ。
震える足にありったけの力を入れ、刺されたナイフごと退き、呪霊から距離をとる。


A
「っぅあ…!!!」


俯き、傷口を確認する。
これは貫通してるのか?してないのか?
傷口に軽く触れると手が血塗れになる。
しっかり貫通してる。
下手に抜くと出血が増えて、失血死まっしぐらだ。


A
「…クソッ!」


放り投げていた刀を拾って立ち上がる。
ボタボタと傷口から血が流れ落ちる。


A
「うぐっ…!」


クソ、ふらつく。
視界がグルグルと回って安定しない。


漏瑚
「やはり五条悟以外の術師は大した事ないな。」
「もうその怪我ではまともに動けまい。」


A
「…っは、あはは!面白いね、君。」


漏瑚
「…何がおかしい。」


A
「私に腕切り落とされてんのに随分と偉そう。」
「私にみたいな大した事ない術師に腕切られて…。」
「情けなくて、笑けてくるなァ?」


漏瑚
「…貴様、余程死に急ぎたいらしいな。」


駄目だ、もう体が動かない。
…しかも、そろそろ時間だ。


漏瑚
「!」
「…貴様の術式が解けたようだな。」
「集中が途切れたのか、時間が経過したのか…。」
「まぁ、もうよい。」


手から炎を出し、私に近付いてくる。

あー、クソ…ここで終わりか。
…まぁ、しょうがない。





「A。」


私の名前を呼ぶあの人。


「僕がずっとそばにいるよ。」


私をじっと見つめる、あの鮮やかな眼が、私を捉えて離さない。


「僕が守ってあげる。」


私と同じ色の眼が揺らめく。


「好きだよ、A。」


あぁ、これが走馬灯か。





もう一度だけ、声が聞きたい。
最後にもう一度、あのぬくもりに触れたい。

……死にたくない。


漏瑚
「死ね。」


A
「…地獄で待ってるよ、クソ野郎。」


死が直ぐそこに。





走馬灯に手を伸ばす。

85 - 本編→←83 - 本編



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (263 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1273人がお気に入り
設定タグ:呪術廻戦 , 伏黒恵 , 五条悟
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:mito | 作成日時:2021年1月17日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。