↑の続き ページ44
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リツカが仕事を終えて帰ってくる頃には、日が傾きかけていました。キッチンで夕飯の支度をします。パツシィの分は、消化の良いものにしなければいけないと思い、お粥と果物にしました。
夕飯を持ってパツシィが寝ている自分の寝室へ向かいます。部屋に入り、窓際にあるベッドに声をかけました。
「ねぇ、ご飯持ってきたけど、食欲、ある?」
「ある。」
即答でした。
「ふふ。そんなにお腹空いてたんだね。食べさせてあげようか?」
「は、ハァ!?じ、自分で食える。」
あはは、冗談だよ、じょうだん。と、言ってリツカはベッドの隣の机にお盆を置いて
「これが君の分のお粥。そして果物。暫くは消化に良いものがいいかな。」
「ハァ!?なんでだよ!肉を食わせろ!肉を!」
「ごめんね。肉ってなると、ここら辺だとかなり高価な物になるんだ。狩猟は許可されてるけど、期間が限られてて。街に買いに行くにも、遠いし。帰ってくる頃には傷み始めてる。」
だから、ごめんね?
とリツカは申し訳なさそうに顔を歪める。
「そうか、こっちだとそうなんだな。オレも、すまねぇな。」
と、パツシィも謝りました。
「大丈夫。慣れてるから。」
じゃ、食べよっか。
この合図で2人の夕飯の時間は始まりました。
「ねぇ、パツシィの国はさ、どんな所なの?」
「あぁ?そうだなぁ、強ぇヤツは英雄みたいに扱われ、弱ぇヤツァ、居ない様に扱われる。いわゆるじゃくにくきょうしょくっつうやつか?そんな所だ。」
「それって、良い所なの?」
「いいわけあるかぁ?」
「じゃあさ、パツシィは強いひとだったの?」
「あぁ、........。」
ボソリと何かパツシィは呟きましたが、リツカには聞こえませんでした。
「?」
「なんでもねぇよ。この話は終いだ終い。」
それよりよォ、とパツシィは続ける。
「お前は、親とか居ないのか?」
ふと、疑問に思った事を聞く。
「あぁ、居ないよ。昔ね、ちょっと色々あって。」
リツカの顔が少し曇る。これは良くない話題だなと思った獣人は、
「ふーん。ま、振り返っていい事なんかねェからよ。気に病むな。な?」
と、明るく返しました。その答えに少し励まされたのか、
「うん。ありがとう。」
少し微笑んでそう返しました。
そうして、夜は更けていきました。
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次ー。
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幽香(プロフ) - 十六夜夢路さん» それはありがとうございます。そう言ってくれる人がいて嬉しいです。(手が滑ってコメント消してしまったため2回目) (2019年8月18日 23時) (レス) id: 6feee5689f (このIDを非表示/違反報告)
十六夜夢路(プロフ) - 幽香さん» こんにちは。とても面白いですね。 (2019年8月18日 7時) (レス) id: ea02e12f92 (このIDを非表示/違反報告)
幽香 - AIさん» うん。頑張る。ありがとう。 (2018年5月29日 22時) (レス) id: 6feee5689f (このIDを非表示/違反報告)
AI - 更新、頑張ってーーー!楽しみに待ってる! (2017年5月4日 22時) (レス) id: 2e47d22230 (このIDを非表示/違反報告)
星 - 昨日みたいにデータベースエラーになります。チャットするのならチャット専用のサイトへ行ってください。 (2017年5月4日 20時) (レス) id: 0542bba0d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:幽香 | 作成日時:2017年4月3日 18時