ただ愛する仲 Ⅱ【Hikaru.I】 (ページ4)

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照 side

照「ばあさん？居ないのか？」

康二から連絡があってすっ飛んできた。
薬屋を営み、俺と妹の面倒を見てくれているばあさん。

定休日じゃないはずなのに連絡がつかなかったらしい。

照「…南城鍵、壊してもいいか？」

返事がないから、店の表についてる鍵を
ぶっ壊して中に入った。

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「…なんでドア壊したのよ？」

照「生きてるか確認するためだし」

「もう薬飲み干したのかい？」

照「違うよ、心配して来てんの」

結局ばあさんは布団で寝ていた。

照「どうした？」

「どうもこうも…長年使ってれば体も故障よ」

照「稼いだカネはどこに消えた？
　何なんだこの家は。」

天井は低い、ボロい、何なら俺の所より狭い。

「どうせ死んだら捨てる物じゃない、もう帰って」

照「いーや、帰らない。仕事で疲れてんだよ」

小さいベッドに足を縮ませて勝手に乗る。
静かになったから、黙認だろう。

　

　

照「…再開発の話、知ってる？」

「知ってるし、そのせいで地価も暴騰よ。」

照「俺さ、そこで働いてんだわ、
　成り行きでな。」

「…何考えてるのよ、よりによってあの場所で、」

照「はぁ、これも運命だろ」

ばあさんは不安に思ったらしいけど、そのまま夢へ。
…妹に診てもらおう。

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