ただ愛する仲 Ⅱ【Hikaru.I】 (ページ5)

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A side

大「ねぇ、来なくていいのに…めんどいっしょ？」

『心配してたの！』

大「入社して間もないのに大丈夫なの？」

『まぁ…代表は理解があるから』

朝、大介のお迎えに病院まで行った。
…親には伝えていないようだ。

『あ、タクシー』

大「はい！乗る！乗りまーす！！」

『絶対聞こえてないから(笑)』

手を上げて近くに止まる車。

彼と動こうとしてもびくともしてくれない。

『…動かない、』

大「え、」

車椅子が溝にはまって、
にっちもさっちもいかなくなった。

がちゃがちゃと動かしていると
あの聞き覚えのある声が聞こえる。

「触ってもいいすか？」

大「あぁ、もうはい、全然…」

こっちに歩いてきたと思ったら、触ったのは大介の身体。
軽々とお姫様抱っこをしてタクシーに乗せてくれた。

大「ええええぇ！？」

…ちょっぴりかっこいいなんて感情。
車椅子も畳んで積んでくれた。

照「反対側から乗って」

…呆気にとられてしまったせいか、
礼も言えないのか？と拗ねた顔をする。

光「兄さん、」

…やっぱり岩本ってあんまり見ないよなぁ。
ここが兄妹だったなんて。

〈出発しますよ？〉

『っあ、今乗ります！』

結局何も言わずにタクシーに乗った。
…なんでこんなに彼は上機嫌なのか。

大「手を貸してくれるのに断るほうが失礼だもんね！」

『…めっちゃ嬉しそうじゃん』

大「だってアニメみたいな体験しちゃった！！」

『はぁ…こんな所で会うなんて』

大「ん？もしかして知り合いだった？」

知り合いも何も、散々貴方に言ってた人なんですけどね。

『関わりたくない男』

大「…昨日話してた男！？はっはーん、
　意外と見る目あんじゃん！」

『はい？』

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