奪い合い《赤司征十郎》

26.赤司家 ページ30

「なんでしょうか、父さん」

「早かったな」





早くと言ったのは父さんだろ




「…平日にこういうことはやめてもらえませんか？

僕にも部活や生徒会の仕事があるので」





…いや、溜まってるので。






それに、
Aと長くいられないだろ？


あんなむさ苦しい集団にAを放っておけない。





「この前の話は考えてくれたか？」





あぁ…あれ。

ちょうど半年記念日の、あの日。
僕は重大なことを父さんから聞かされた。





「考えた、というより…嫌です」

「ほう、それはなぜ？」

「僕にも僕なりの考えがあります。
その話には乗れません」

「そう言うと思ったよ。
だがな、お前に拒否権はないんだよ」




まぁ、そう言われると思っていたよ。

父さん、昔から強引な人だからね





「今週の日曜日だ。準備しておくように」

「ちょっと待ってください!!」

「言っただろ、『お前に拒否権はない』と」

「………っ」





それだけ言い残して、僕の前から去った





.







.






.







「僕は…どうしたらいい？」






.








.







.






A―――――…

27.撮影→←25.代役

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