8 ページ9
神威がまたニコニコしながら続ける。
「えー、まだ決まってない無いの?そろそろ返事して貰わなきゃ困るヨ。
俺達もあと少ししたら地球を発つんだからサ。まぁ、次来た時でも良いんだケド……何時になるか分かんないからネ。」
くるくると三つ編みをいじりながら話すその姿は、女の子と言われても全く違和感無いほどの可愛げがある。
『……可愛い。』
はっ、と出た本音を隠すように口元を手で覆う。
神威はニコニコとしているが、明らかに不服そうにしている。
もういいや、とばかりに私は本音を吐いた。
「可愛い?俺が?何、ふざけてんの?殺しちゃうぞ?」
『いやいや、その三つ編みいじってんのも、とにかく可愛いから。そこらの女の子より女の子してたからナ?』
「……はぁ。可愛いとか、俺には似合わないから。」
『似合ってるから言ったんだヨコノヤロー。』
「……なんだヨそれ。面白いコトを言うネ、お前は。」
『そりゃどーも。』
「お前のそういうトコ、嫌いじゃないヨ。気の強い女は好みなんだ。」
『何だそりゃ、キショクワリィ。』
そうこうしている内に、神威が笑った。いつもの薄っぺらい、胡散臭い笑みじゃなくて、本気で笑ってる。
意外とこいつ、年相応な笑い方すんだな。
それを見てると、なんだか私も笑えてきた。
2人して笑っていると、目のタヒんだオッサンが現れた。
「んな所に居やがったのか、このスットコドッコイ!!
……ん?なんだァこの嬢ちゃ、ん……っ!?」
オッサンは何かを察知したようだ。
何を感じたと言うのだろう、この場所……この暗い路地裏には私と神威しか居ない、というのに。
敵の気配も無い。じゃあ何故だ?
「アンタ……そんじょそこらの夜兎じゃねェな。」
「こいつは俺の従兄弟だヨ。あ、A、こいつは阿伏兎。俺の部下だヨ。」
「従兄弟だァ!?そりゃ……いや、違ェな。それだけじゃねェ。アンタの血の匂いか……。」
「何、どういうコト?」
「……徨安、か。大戦で廃れた夜兎の母星で生きてきたからだな、その体に流れる血の匂いがそこらの夜兎と違うのは。」
『……よく分かったナ。流石だネ、長年生きてきたから分かったみたいな?』
「…おいおい、俺ァまだ32だぜ?そりゃ、お前さんからすりゃオジサンだろうがよォ。オジサン悲しい。」
『……え"。』
5人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
めぐぽん(*´・∀・)(プロフ) - こんにちは^ - ^もしかして、なんか薬とか盛られてるのかな?続き楽しみです! (6月26日 16時) (レス) @page15 id: baf8bee298 (このIDを非表示/違反報告)
シュークリーム - あ、すみません、正しくは12話、13話でした! (6月12日 17時) (レス) id: 5dbe0a5f3f (このIDを非表示/違反報告)
シュークリーム - 初見です!終推しなので11話12話辺りで死にそうでした…。今後も更新頑張ってください! (6月12日 17時) (レス) @page14 id: 5dbe0a5f3f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ