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行く宛ても無くぶらぶらとしてみる。
こうして居ると、真選組に入る前の事を思い出す。
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「お前、何してんだ。んな所にいりゃ、攫われっぞ。」
「行く宛てが無いのか……じゃあ、俺達のところに来ないか!!」
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目を閉じれば、その時の情景さえも思い出す。
しかし、もうそれも、鼻で笑ってしまうような虚偽の優しさだと気づけた。
『どうせ、人間なんて、ンなもんだ。
信じられるのは、力だけ。』
目を伏せて歩くと、何者かにぶつかった。
「おっと、悪いネ。」
『...神楽ちゃん?』
その人は、包帯を巻いてる。
しかし、はみ出た緋色の髪、間から覗く青い瞳、それ等から連想されたのは、万事屋の少女の面影だった。
「...何。なんでその名前、知ってんの?」
どうやら知り合いだったようだ。という事は、神楽ちゃんの...噂のお兄ちゃんか。
昔、神楽ちゃんとは従兄弟同士として会った事があった。しかし、その兄には会った事が無かった。確か、名前は...。
『神威、か。』
「ねぇ、質問に答えなよ。」
神威は突然攻撃してくる。その手を払い除けて、距離をとった。
「なんでそいつの名前、そして俺の名前を知ってんの?」
『知らねぇの?私、江華さんの姪っ子なんだケド。』
ぴたり、と攻撃が止んだ。神威は少し目を見開いた。
「通りで似てると思ったら……アンタが、ネ。」
『何、話だけなら聞いてた感じ?にしても悲しいなぁ、従兄弟の顔を知らないなんてネ。』
「アンタだってそうだろ?」
『私は知ってたよ。
「してた、って事は、今はしてないの?」
『同じお巡り共に裏切られたから、シューショクサキ探してるとこ。』
「...ふ、アンタ、中々面白いじゃん。シューショクサキ探してんだったら、うち来ない?うちも団員少なくてさー。」
『そりゃ、宇宙海賊の仲間入りしないか、って事か。
...良いな、それ。』
血が疼いた。これが夜兎の本能。逆らうつもりなんて無い。
かといって、それに呑まれる気も無い。
だが、力だけを求めるこの集団は、今の自分がぴったりかもしれない。
それに、真選組どもに復讐するチャンスじゃないか。
『考えとくヨ。今回は見逃してやる。』
「こっちも、良い返事を待ってるヨ。」
今回はそれで別れた。そう、今回は、ネ。
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めぐぽん(*´・∀・)(プロフ) - こんにちは^ - ^もしかして、なんか薬とか盛られてるのかな?続き楽しみです! (6月26日 16時) (レス) @page15 id: baf8bee298 (このIDを非表示/違反報告)
シュークリーム - あ、すみません、正しくは12話、13話でした! (6月12日 17時) (レス) id: 5dbe0a5f3f (このIDを非表示/違反報告)
シュークリーム - 初見です!終推しなので11話12話辺りで死にそうでした…。今後も更新頑張ってください! (6月12日 17時) (レス) @page14 id: 5dbe0a5f3f (このIDを非表示/違反報告)
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