◇第二百八章◇ ページ15
「久しぶりに散歩に出てみたら、何やら面白そうな話してるじゃねぇかテメェら」
咄嗟に後ろを振り返ると、そこには色黒の男性が煙管を片手に立っていた。
銀時「これはまたタイミング良く出てきたもんだなぁ、ガングロ親父」
皆の知り合い?もしかして、この人が今お登勢さんが話してた例の……
新八「次郎長さん、どうして……」
次郎長「どうもこうも、気分転換に外出歩いてたところに良い情報が耳に飛び込んで来ただけさ」
お登勢「という事は、手を貸してくれるのかい」
次郎長「何言ってやがる。手を貸すも何も、もう貸しちまったよそんなもん」
煙管を持っていた右手じゃなく、左手に何かを引きずるように持っていたことに気付く。まさか、それって──
次郎長「道中で突然女を殺そうとしたから斬ったんだが……正解だったようだな」
バサッと真新しい男の死体を投げ捨てた。やっと蔓延し始めたってところか。
次郎長「暴れ足りなかったところだ、思う存分暴れてやらァ。兄ちゃんとも手合わせしてぇしな」
銀時「冗談じゃねぇ、嫌なこった」
嫌そうな顔をしながらフイッと顔をそっぽに向ける。えらく気に入られたものだ。不思議と銀時の周りには、この人の人柄に惚れた人たちが集まってくる。私もその中の一人だという事が嬉しいような悔しいような、複雑な気持ちになる。
新八「それでも三人……」
不安そうに呟く新八くんを安心させるかのように、神楽ちゃんが言葉を発した。
神楽「大丈夫アル。この町は最強ネ。この事態に気づけば、皆この町を救おうと動くはずアル」
新八「そっか、そうだよね。僕たちは僕たちの出来ることをやろう」
手の震えを無理矢理抑え、未だに平和のように見える町を見渡した。
新八「僕たちでこの町を守るんだ」
神楽「細かい事は後で考えれば良いアル。今は全力で、ウイルスに立ち向かう事だけを考えるヨロシ」
新八くんは木刀を、神楽ちゃんは傘を構え、決意を固めた。いつものような可愛らしい背中はそこには無く、ただただ逞しい二人の姿が存在していた。
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鬼灯(プロフ) - 初めまして…!!続き楽しみにしてました、既に好きです!!!!シリーズ最初にリンクの貼ってあったヒカリ証明論も聴かせて頂きました…滅茶苦茶に歌い方も好みでした((((これからも応援してます!! (2021年9月5日 18時) (レス) id: 9ea7ca46b0 (このIDを非表示/違反報告)
またまた - 初めまして!最高でございます、はい、、大好きです!!!!!これからも応援しておりまする!! (2021年8月4日 1時) (レス) id: fffe7db0be (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - おかえりなさい!続き凄く楽しみにしてました。 (2021年6月19日 6時) (レス) id: 03c126c95f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:LAZU(らず) | 作成日時:2020年6月27日 8時