Love D-Rive【Kaz・N】 (ページ11)

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家に帰ってきてからも模試の結果の落ち込みから立ち直れなくて

落ちて無口にになってる私にお母さんは

「アイスクリームでも食べたら？」

って、大好きなシャーベットを出してくれる

冷たいアイスを食べたらちょっとスッキリして

自分の部屋に行って二宮さんへ電話をかけた。

二宮さんとのやりとりはLINEが多いからこんな風に電話することに慣れてなくて

スマホに電話番号を呼び出して発信をタップするだけで緊張する。

プルルっていうコール音をきゅっとしちゃう胸の痛みと一緒に聞く。

「もしもし？」

ざわざわした音と一緒に二宮さんの声が聞こえた

「あ、Aです。」

「ん、着いた？」

優しいその声がスマホから聞こえてくるのが新鮮でうれしくなる。

その声が嬉しくて今日の模試の結果を話そうとして

「今日ね模試の・・」

「『カズー、何してんの？早く行こ』」

・・・えっ？

女の人の声がすごく近くで聞こえて

おもわずぎゅっとスマホを持つ手に力が入った。

「『アミ、先行ってて』」

二宮さんが隣の女の人に何か話してるのが聞こえる

「ごめんなさい。切るね？」

「『・・・だからー違うって』、A、あとでまたかけるわ」

色んな人の声がざわざわした中で微かに聞こえた『彼女？』っていうからかうような女の人の声

・・・・違うって何？

「二宮さん、もう大丈夫だから」

そう言って二宮さんの返事も待たずに電話を切った。

ぎゅっと胸が締め付けられる

鼻がツンとして涙があがってくる

私はこんな時間に二宮さんと遊ぶことなんてできなくって

一緒に過ごす時間だってほんとに少なくて

『二宮さん』としか呼んだことなくって

私はコドモ扱いしかされなくって………

ずっと心の中に少しずつ澱がたまるみたいに積もっていた

重くて黒くて醜い気持ちが出てくるのを止められなかった

黒い気持ちと一緒に涙がぽろぽろ溢れてくる

気持ちが溢れちゃったみたいにいろんな気持ちがぐるぐるする

これが嫉妬だっていうのはわかるけどその気持ちをどうやって処理したらいいのかわからない

……勉強しなきゃと思って机に向かう

もう時間が無いのにって

なのに問題集にもノートにも水溜りができる

その夜何度かあった着信にもLINEにも出ることができなかった。

二宮さんが大好きなのに取り返しのつかない言葉を言ってしまいそうだったから

大好きな人なのに……

会いたいのに会いたくなかった。

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