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スタジオ_貴方side
私が声をかけると蓮はちらっとこっちを見たがギターを弾き続ける。
無視…?
貴「はぁ。」
仕方ないからイスに座って蓮の弾くギターに耳を傾ける。
かっこいい。
ギターを弾いてる時はね。
蓮「がっこー楽しかったか?」
いつの間にかギターを置いた蓮が目の前に立っていた。
貴「ん。楽しかった。友達できたし。」
私の持ってきた水を飲もうとしてた蓮は手を止めてこっちを見る。
疑うような顔で。
蓮「友達?Aに?…へーそいつ物好きだな。」
貴「…。」
どういう意味よ。と心の中で言いながら睨むと
バカにしたように笑うこいつとは小5からの付き合いで私が最も心を許せる人。
あれ、この匂い。
貴「あんたタバコ吸ってんの?」
私は五感が他の人より優れている。
蓮はいつも甘い匂いがする。一緒にいると彼に酔ってしまいそうな甘い匂い。でも微かにその奥からタバコの匂いがした。
蓮「べつにいつも吸ってるわけじゃねぇ。たまに…気がのらないときだけ。」
貴「へぇ。ギター弾きたくない時があるんだ。それ気が緩んでんの。集中しな。それと、たまにでも吸っちゃだめでしょ。」
知ってる。
こんな説教みたいな言い方したら機嫌悪くなることくらい。
蓮の顔が近づく。
蓮「それは俺の心配してんの?それともグループの心配?」
ほらね。機嫌悪くなると最強にSになる。こうやって私を困らせようとしてくる。
貴「どっちも。…てゆか、顔近いから。離れて。」
熱が顔に集まってくる。いつまでたっても慣れないな。蓮相手にこんな気持ち、なりたくないのに。
蓮「いや。」
貴「離れて!」
蓮「顔まっか。」
貴「…。」
蓮「お前分かってんの?今俺ら2人きりだぞ。んな顔赤くして、襲うぞ。」
貴「いいかげんにして。」
限界。そういう意味を込めて見つめると勝ち誇ったような顔して私から離れる蓮。
蓮「A。」
貴「なに。」
蓮「がっこーってのは俺みたいな男がうじゃうじゃいるんだぞ。お前こそ気抜いてんじゃねぇよ。もう小学生じゃないからな。」
なにそれ。征や涼太くん達は蓮みたいに女好きじゃないもん。
貴「ギター弾いてよ。」
蓮「は?」
貴「歌いたいの!ギター弾いて。」
蓮「……クイーンのお望みなら。」
そう言ってギターを弾き始める蓮はやっぱりかっこいい。
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作成日時:2017年3月28日 19時