146話「あの時の、表情が……」 ページ49
三成視点
俺はAさんの代わりに短刀を研ぐ。理由は勿論彼女が危なっかしいからだ。そうじゃなかったら俺がこんなことする訳が無い
「…終わりましたよ」
「あ！有難うございます！」
色々刀の手入れも終えて鞘に収めた状態で返すと笑顔でその刀を腕に抱いたAさん。この笑顔が見れるならたまにはこんな事も悪くない……なんて考えるも、当初の目的を思い出し向き直った
「Aさん。兵から伝達は届いたかと思います」
「はい、先程明後日に行われることになったと」
「はい、その件は詳しく軍議で……行われる時間は…もう少しでしょうか。急ぎましょう」
「はい」
Aさんと一緒に軍議をする為の部屋に急ぐ。ドタバタと慌ただしく走り回る兵達の姿を尻目に俺はAさんへと視線を移した
「……何か？」
「あ、いえっ！なんでもありません……」
傍から見たらこの人が戦場を駆け回り幾度と勝利へ導いた人とは思わないだろう……この人は、なぜ戦うのだろうか
「…Aさんは、何故戦うんですか？」
「私…ですか？」
「はい」
少し食いつき気味に早めに答える。Aさんは微笑みながらこう答えた
「私は泰平の為に戦っています。それ以外の何物でもないでしょう」
「…泰平の為…なら、あともう少ししたら貴女は戦わずともいいのですね」
「ふふ、そうですね……でも、戦いはそう簡単に治まりません。そういうものなんですよ、【戦】というのは」
「……え？」
悲しげに笑ったAさんの表情に鼓動が乱れる。この人にこんな顔、させる為に聞いたんじゃないのに
「…すいません。早く行きましょう」
「？はい」
彼女の手を取り早足で軍議を行う部屋へ向かう。彼女の表情は元通りいつもの笑顔だが、脳裏にあの時の悲しげな表情が焼き付いて離れなかった
《夜》
「…はぁ」
急遽早まった戦に備えての確認や色々行った軍議でAさんは特攻をやるらしい。心配でしかない、以外にもドジだからな……あの人は
「…いや、悩むな石田三成。お前は軍師だろう？仲間を信じて策を練ろ…」
少しでも多くの策を講じ実行する、それが軍師の役目だ。自分の思いに囚われ何も考えられないのはまだまだ…
｛戦いはそう簡単に治まりません。そういうものなんですよ、【戦】というのは｝
「っっ…」
あの時の表情が脳裏から離れない。俺はやはりまだまだ未熟…という事なのだろうか
「…少し、頭を冷やすか」
頭からあの時の表情を消す為、庭へと足を踏み出した
147話「皆さん、眠くないんですか？」→←145話「も、申し訳ないです…」
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エンゼルチキンロールβ - 作品読ませて頂いてます！忍びーズと偶に出てくる作者様が可愛いです！笑 (2021年12月12日 23時) (
レス) @page23 id: 82f6fb7af8 (このIDを非表示/違反報告)
エルフ・シャープナー(プロフ) - 麗宵さん» コメント有難うございます。一つ一つの話の残りの文字数の都合上一文字足していきますと話を少し変更するという事になるかと思われますので、次の更新からとなってしまうかもしれません。完全にリクエストにお答え出来ず申し訳ございません (2018年5月26日 23時) (レス) id: 01727032ce (このIDを非表示/違反報告)
麗宵 - ちょっと官兵衛さんの口調が戦国BASARAの松永久秀と似ていたから一瞬どっちかわからなくなったので、できればだれが喋っているのか一文字だけでもいいのでつけてくださると有りがたいです。 (2018年5月25日 23時) (レス) id: 92d855c6e1 (このIDを非表示/違反報告)
エルフ・シャープナー(プロフ) - とある村の1村人さん» そんなに待たせません！なるべく早く更新致します(*^^*)頑張りますのでこれからも宜しくお願い致しますm(*_ _)m (2018年3月20日 23時) (レス) id: 01727032ce (このIDを非表示/違反報告)
とある村の1村人 - ご返事ありがとうございます！もう100年でも200年でも何年でも待ちます！(((( 無理せず頑張ってください！！ (2018年3月20日 23時) (レス) id: ba5cd57d32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エルフ・シャープナー | 作者ホームページ：http:
作成日時：2017年11月2日 22時
