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【トンネル】 ページ42

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桃田side




人はよく人生の苦難を長いトンネルに例える




光の差す出口を目指し暗闇の中を進んでいく様が人生と似ているからだろう




人はその道を進むために様々な準備をする




あるものは灯りを持ち、あるものは地図を用意し進む




光の先にある答えを求めて




だが人生は往々にして予想を裏切る




光の指す先にきっと出口はある、




そう信じて進んでいたはずがそのトンネル自体が突然崩れたら?




微かな光さえ途絶え、私たちは行き先を見失う...




意識のない患者を手当てしているとき、近くで泣き叫ぶ少年を見つけた。




「この人、ボクのお父さん?」




そう尋ねると少年は首を横に振った。




違う、か...




どっちにしろここは危険だ、




「すいません、あの子上に連れて行ってもらえますか?」




通りかかった救急隊に声を掛け少年を保護してもらい、再び患者に向き直る。




緋山side




緋山「頭の損傷が酷い、」




目の前には頭部外傷で痙攣を起こしている村岡ひとみさん、彼女は妊娠している




脳は私にはさっぱりわからない。




藍沢に任せようとするも彼は骨盤骨折の患者のパッキング中、




手を借りれないとなるとこの患者は...




そう思っていると誰かとシーバーが繋がった。




新海「新海です、今そっちに向かってます」




白石が呼んだのだろう、助かった...




しばらくして彼は私たちの元に到着し、開頭して処置を進めた。




でも...




新海「脳脱してる、」




そう言って彼は首を横に振った。




遅かったか...




瓦礫を撤去しひとみさんを救出でき、旦那さんは『よかった、』と肩を下ろしている。




私はそんな彼に残酷な現実を突きつけなければならない




緋山「村岡さん、残念ですがひとみさんは助かりません」




そう言うと彼は目を見開いて黙り込んだ。




緋山「脳にかなり深刻なダメージを受けています。


病院に運んで処置をしたとしても、回復は不可能です。」




村岡「そんな...やっと出してもらえたのに、そんな...」




それでもひとみさんの名前を叫ぶ村岡さんに何も言えないでいると白石から無線が入った。




白石『新海先生、こちら戻れますか?


頭部外傷で搬送待ちの患者がレベルダウンしました。』




新海「すぐ行きます、」




そう返事をして新海はコンコースに戻った。

【二次崩落】→←結婚したい...



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作者名:愛音 x他1人 | 作成日時:2020年5月29日 17時

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