愛したかったカノジョ kn.Ver（ﾘｸ） ページ43
死ネタ
俺がその女に出会ったのは、俺がまだ片手で歳を数えれるくらいの時で、あまりはっきり覚えてないが。
俺の母さんに似た女が涙を流しながら母さんを引っぱたいて、腰の抜けた父さんを怒鳴りつけていた時だった。
その母さんに似た女は俺のところに近づいてきた、母さんみたいに引っぱたくのか、それとも父さんみたいに怒鳴りつけるのか。
そう思うと怖くて目を瞑った。
だけど痛みも怒号もいつまでも来なくて来たのは暖かい手に撫でられる感触。
するとその女は俺を抱き上げて家を出た。
家の奥から聞こえたのは母さんと父さんの怒号。
女は俺を車の助手席に載せると、自分は運転席に乗せた。
後部座席を見るに、家の車よりも随分大きい。
「お前は今日からうちの子になるが、無理に母さんとか、呼ばなくていい。Aでもおばさんでもお姉さんでも好きに呼ぶといい。」
「おばさん？」
「それを選ぶか。ははっ」
さっきまで泣いていた女は涙なんてなかったかのように笑っていた。
車に揺られながら窓を眺めていると、いつの間にか寝ていたのか、体を揺すられて起きた。
「着いたよ。孝行」
久しぶりに名前を呼ばれた気がした。
車をおりて、辺りを見渡すと、何も無い。
あたりは薄暗くなっていて遠くに街の灯りが見える。高いところに俺はいた。そこには大きな家があった。
この家はこの辺りでいちばん高い山を拓いて平にしたところにたっていた。
「ここら辺は私の土地だ。一緒に遊ぼうな。」
俺の手を取ってその大きな家に連れ行った。
玄関までの道の周りには遊具やガーデンテーブルなどがあった。それをじっとみていると。
「ここから近くの公園まではさすがに遠いからな。ここはお前だけの公園だ。」
公園で遊んだことの無い俺はその時、そんなに嬉しくは思えなかったが、この家の子になって数年、小学校に入って友達ができた時。初めて家に連れてきた時はみんなに驚かれうらやましがられたが、
「すげぇ！コネシマんちひれぇ！」
「ええなぁ、遊具全部独り占めやん。」
「あんま俺一人じゃ遊ばんけどな。」
一人で遊具遊んでもつまんなかったので俺はいつも部屋にいた。
「あんまり遊具で遊ばんのやな。」
来たばかりの時は悲しそうな顔で言われたが、今は本を持ってこっちに来て
「今日は天気がいいし外で本を読もうか。」
ベンチブランコに2人で並んで座って、読めない文字の本を読んでもらってた。
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ケントゥム - 憑き物って「トワイライトプランク」ですよね！！気付いたときめっちゃくちゃ嬉しかったです！！ (2022年7月22日 10時) (
レス) id: 3dc9f6a52b (このIDを非表示/違反報告)
卍エシラ(プロフ) - 紅覇さん» ありがとうございます！ (2020年5月2日 21時) (レス) id: 62414ec622 (このIDを非表示/違反報告)
紅覇 - 悲しすぎて胸の奥がキューってなりました。これからも頑張ってください！！ (2020年5月2日 14時) (レス) id: 6f781d8dfc (このIDを非表示/違反報告)
卍エシラ(プロフ) - 雪鈴さん» これが書きたくて仕方なかったので長くなってしまいました (2020年5月2日 13時) (レス) id: 62414ec622 (このIDを非表示/違反報告)
雪鈴(プロフ) - ……鬱先生、哀しすぎる…ついウルッと来てしまった…｡ (2020年5月2日 13時) (レス) id: 19448fa7ba (このIDを非表示/違反報告)
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