年上カノジョ kr.Ver ページ8
【注】死ネタ
「やぁ、くられ君。初めまして
そしてようこそ私の研究チームへ」
黒幕さんに異動を推薦され、その異動先に指定されたのが、たった1人の研究チーム。毒を中心とした研究を行っているらしい。
不満でしかなかった。
だけど実際そんなひどいものでもなく、むしろ環境は最良だった。
資金があまり与えられない少人数研究チームは実験器具が揃えられない。だけどここは十分というほど十分だった。
全て自分の給金で買ったという……
ほんとに実験が好きなのだろう。
一緒に道具屋横丁や東急ハンズで実験器具を見に行くと、デートみたいだな、なんて
柄にもないこと思い始め、
研究室から家に帰る道は妙に暗かった。
なんなんだ彼女という存在は……
「君は、恋を刺激物質による脳の錯覚と思ってるタチだろ」
「まぁ、」
「じゃあ君は病気だ。脳の」
「……」
「私と一緒にいれば症状は収まるのかい」
「恐らく。」
「じゃあ一緒にいようか。」
まるで診察を受ける患者のような告白から始まった交際は、特に何が始まることも無く、ただいつも通り過ごし、ただ少しだけ一緒にいる時間が多くなった。
それだけで、むしろ、終わりが近づいていた。
隣の彼女を抱き寄せるとわかる、痩せた腰、凹んでいるのにどこか膨れた腹。
毒を学ぶには薬を学んで、薬を学ぶには医療を学ぶ、一時期医大を目指してたんだ。こんなあからさまな病気に気づかないはずがない。
消化器官系の病気で、消化力が極端に落ち、水しか吸収できていない。普段同じ食事を撮ってはいるがきっと後に吐いているのだろう。
食べなきゃいけない、が、胃に何かあるの方が辛いのだろう。
吐き出さなくても消化不良で固形のまま腸に溜まり破裂してしまう可能性が高まるだけ。
こんなにも悪いなら、普通は病院で集中治療を受けるべき病気なのにそうしないのは、
ストレート・エッジなのか、それ以前に薬の毒で死ぬのが嫌なのか。
彼女の気持ちを無下にはできない。自分に出来るのは彼女のつらさを和らげることのみ
「今日は僕が夕餉を作るよ。」
驚いたように笑みを見せて承諾した。彼女もきっと気づいてる。これは彼女なりの甘えなのだ。
消化のいい味の薄いうどんを作って一緒にすする。
あと何回こんな食事ができるのか、数える程なのかそれとももっと……
食事が終われば横になり彼女は目を瞑る。戻ってこれるように横で手を繋いで寝顔を見つめる。
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卍エシラ(プロフ) - ベルギーチョコさん» どこでもいいですよ (2022年2月20日 19時) (
レス) id: 62414ec622 (このIDを非表示/違反報告)
ベルギーチョコ(プロフ) - あの、リクエストって最新作の方の短編集にコメントしたほうがいいですかね…？ (2022年2月20日 18時) (レス) id: 1be44ced24 (このIDを非表示/違反報告)
卍エシラ(プロフ) - 赤狩りさん» こちらこそ細部まで見てくれてるようでお気遣いありがとうございます。 (2019年12月7日 21時) (レス) id: 62414ec622 (このIDを非表示/違反報告)
赤狩り - 卍エシラさん» なるほど……確かに、そうですね。申し訳ありません。そして何度でも言いますが好きです。好きです(大事なことなので) (2019年12月7日 17時) (レス) id: 3967b4b60c (このIDを非表示/違反報告)
卍エシラ(プロフ) - 赤狩りさん» そうですねすみません。ですが凶はkrしかかけないので凶とタグ付けるのも少し気が引けます。ですから説明欄にwrwrd＋αとしてkr先生がいますよと書かせて頂きます。検索避けをしていても直接的なタグを付けすぎると検索避けの意味がなくなってしまうんです。 (2019年12月7日 12時) (レス) id: 62414ec622 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：卍エシラ | 作成日時：2019年11月7日 23時
