年下カレシ kr.Ver ページ9
私の死を確定させに最後に病院に行った。
進行度と、現状からあと何日生きられるのか計算し、
貰った処方箋の薬も貰わず家に帰った。
この手の病気は、病気で死んだのか薬で死んだのか分からない。
薬の毒で死ぬくらいなら、理に逆らわず自然とともに朽ちようと決めた。
しかし、私が死ねばこの家にある大切な道具たちは資材ゴミへとなってしまう。後継者を見つけて全て生前に譲ってしまえば、きっとこの子達も報われる。
知り合いの伝で研究員を1人融通してもらう。
自分よりも年下の研究員を
それ出来たのは狐面の大柄なほうな男、なかなかマッドだか気が合い気さくでよく気が利く。
奇妙な告白をしてきたが悪い気はしなかった。人生最初で最後の相手がこいつだとは思わなかったが、恋に浸って死ぬのも悪くないだろうと、承諾した。
きっと彼は気づいているのだろう。彼は本当に優しいやつだ。
病気でなければずっとそばにいたいと思うほどに
だんだんと動かなくなる四肢に力いっぱい爪を立てるが歪み力の入らない手では爪痕さえもつかない。
夕餉を口に流し込み腹に蓄えたら横になり、目を閉じようとする。
でもなんとなく最後な気がして、食器を片す彼を呼び止め隣に座らせて。
手を握らせた。
「もう、少しここに」
「いつまでもここにいますよ。」
「ごめんな」
「何を謝ることがあるのです」
「君の時間を、私のわがままに使った」
「僕が望んだことです。」
「私の所有物を全て君に譲る。私はあの子達がゴミにならないように君を呼び、君との時間を過ごした。」
「ええ、知ってます。」
「何を泣いている」
「あなたが動かなくなってしまうからです。冷たくなってしまうからです。」
「そもそも私は君よりも歳をとっていた。どちらにしろ君よりも早く逝くよ」
「それでもこんなに早く、逝くことないでしょうに」
「そうかもな……」
「…なぜ、薬を飲み病院で療養なさらなかったのです。そうしていればもう少し長く」
「薬で死ぬなら、自分で作った薬で死にたい。」
「……」
「でも、良かった。」
「これなら苦しまずに死ねそうだ。苦しむなら君に毒を飲ませてもらわないと行けないところだ。」
「そんなこと、出来ませんよ。」
「くられくん。私たち科学者は不老不死を目指してはいけない。」
「……」
「私たち科学者は、生命の芸術家だ。科学の理に背いて死を拒んでは行けない。」
「生命は美しい、終わりの時こそいちばん美しい。」
「ええ、本当に」
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卍エシラ(プロフ) - ベルギーチョコさん» どこでもいいですよ (2022年2月20日 19時) (
レス) id: 62414ec622 (このIDを非表示/違反報告)
ベルギーチョコ(プロフ) - あの、リクエストって最新作の方の短編集にコメントしたほうがいいですかね…？ (2022年2月20日 18時) (レス) id: 1be44ced24 (このIDを非表示/違反報告)
卍エシラ(プロフ) - 赤狩りさん» こちらこそ細部まで見てくれてるようでお気遣いありがとうございます。 (2019年12月7日 21時) (レス) id: 62414ec622 (このIDを非表示/違反報告)
赤狩り - 卍エシラさん» なるほど……確かに、そうですね。申し訳ありません。そして何度でも言いますが好きです。好きです(大事なことなので) (2019年12月7日 17時) (レス) id: 3967b4b60c (このIDを非表示/違反報告)
卍エシラ(プロフ) - 赤狩りさん» そうですねすみません。ですが凶はkrしかかけないので凶とタグ付けるのも少し気が引けます。ですから説明欄にwrwrd＋αとしてkr先生がいますよと書かせて頂きます。検索避けをしていても直接的なタグを付けすぎると検索避けの意味がなくなってしまうんです。 (2019年12月7日 12時) (レス) id: 62414ec622 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：卍エシラ | 作成日時：2019年11月7日 23時
