【d!/ヤンデレ】童話の世界に閉じ込められて…【童話パロ】

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あなたの本日の占い結果です - 2024年5月11日

【不思議の国のアリスbyエーミール】

「やぁ、お嬢さん。」

歩いていると大きな帽子をかぶった人物の元にたどり着いた。

『あの。時計を首にぶら下げた白ウサギを見ませんでしたか？』
私は早口にそう尋ねた。

「え？ウサギですか？存じませんね...ところで一緒にお茶でもしませんか？」

『え？あ…お誘いありがとうございます。』

歩き疲れていたこともあり私は、私に椅子から立ち上がり手を伸ばしてきたその人の手を取った。

**
*

「どうぞ、好きなだけ飲食していってください。」
『うわぁ、すごい…！』

連れてこられたテーブルの上には食べるのが勿体ないくらい綺麗なデザートが並ぶ。

『喜んで貰えて嬉しい限りです。これが、私のお気に入りの紅茶です。是非ご賞味ください。」

そういって差し出されたティーカップには、赤い透き通る紅茶に映える一枚の黒い薔薇の花弁。


『頂きます…』
「…お味はいかがです？」

一口含んだそれはお茶とは思えないほど甘くまろやかで美味だった。私はあっという間に紅茶を飲み干した。
カップの中には黒い花弁が一枚。

「あ、思い出しました。白いウサギならあそこに見える池の方へ行きましたよ。」
『本当ですか！？えっとお名前は。』
「エーミールです」
『エーミールさん。有り難う御座いました、紅茶もケーキも…』
「ああ。それはよかった。頑張ってくださいね。」

人の良さそうなエーミールさんの笑顔に見守られながら、白ウサギ探しを再開する為立ち上がろうとした...が。

『あ、れ…？』

足に力を入れるも上手く立ち上がることができず椅子の背を押し立ち上がろうとするも足は無力なまま。

「大丈夫ですか？」
『すみません、なんか…立てなくなっちゃって。歩き過ぎたからか…』
苦笑いの私にエーミールは曇りのない笑顔で見つめてくる。

「別に無理に立たなくていいんですよ？これからは貴方のして欲しいことを全部、私がして差し上げますから…」
そういって彼は私を抱き上げた。

『これからって…どういう？』
「そのまんまの意味です...貴方はこれからずっと私とここで過ごすんです。」
笑う彼の目はどこを見ているのか分からないような据わった目だった。

本能が¨危険¨だと告げる。
私は彼の胸を押し彼の腕の中から離れる。


「…ああ、先に言っておきますが私から逃げられませんよ？...ほら。」

前を見れば出口はなく周りは薔薇の花で囲まれていた。






「ふふ、これでずっと…

一緒やな。」




・・

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