極彩色カノジョ gr.Ver （ﾘｸ） ページ49
彼女の描く絵はシンプルな色彩と単色的な構成で、しかし様々な濃淡で彩られた美しい絵だった。
そんな彼女は壊れてしまった。
始業式にも来なかった。
終業式の日のあの苦しそうな顔が関係あるとは思っていたが。それ以上に
「これは…」
クラスを調べ、教室に行ってみると。
席が一つだけ荒らされていた。
彼女の机だった。
俺は車を走らせて彼女の家に向かった。
家の門をたたくが、返事はない。門から入って玄関のドアノブに手をかけると鍵は開いていた。
昔の記憶を辿り、彼女の部屋にたどり着く。
小学生以来だ。このドアを叩くのは
「誰？」
「俺だ。グルッペン」
「何しに来たの？私は大丈夫よ。」
「大丈夫なのに何故学校に来ない。」
「気分じゃないだけ。」
「俺のせいか……？」
「……そうかもね」
「そうか……」
「入ってもいいですよ。」
「あぁ、」
ドアノブをひねればその先には極彩色の世界があった。
色はぐちゃぐちゃ色合いも何も無い
「これは、」
「どんな色に見える？」
「何色と言えるのか……」
「私には灰色にしか見えないの。濃淡くらいしか分からない」
「なんでだ……」
「嫉妬に塗れてしまったの」
「……」
「でもねグルッペン。私はこの無彩色の世界が好きよ。」
「……」
「あんな眩しい世界はもういやよ。」
「今のお前が書く絵も昔のお前が書く絵も、俺は好きだｿﾞ」
「私ねあなたの金髪だけ色が見えるの。とても綺麗な金髪」
「眩しくないか？ならもっと見てくれ」
今度は威圧感のないようにぎゅっと抱きしめる。
「大丈夫。」
「ならお前はそのままでいてくれ。俺だけを見てくれ」
「……」
「もう誰にもお前を虐めさせない」
「え、どうして知って……」
「そんなことはどうでもいいだろ。今は俺だけを見てろ」
そう言って撫でると彼女は子供のように眠りについた。
目の下のクマがその辛さを物語っていた。
そして俺はある人に連絡した。
「……俺だ。いじめが発覚した。校則第五十二条により非人道的輩は排除しろ」
きっと歪んだ笑顔を浮かべていることだろう
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卍エシラ(プロフ) - ベルギーチョコさん» どこでもいいですよ (2022年2月20日 19時) (
レス) id: 62414ec622 (このIDを非表示/違反報告)
ベルギーチョコ(プロフ) - あの、リクエストって最新作の方の短編集にコメントしたほうがいいですかね…？ (2022年2月20日 18時) (レス) id: 1be44ced24 (このIDを非表示/違反報告)
卍エシラ(プロフ) - 赤狩りさん» こちらこそ細部まで見てくれてるようでお気遣いありがとうございます。 (2019年12月7日 21時) (レス) id: 62414ec622 (このIDを非表示/違反報告)
赤狩り - 卍エシラさん» なるほど……確かに、そうですね。申し訳ありません。そして何度でも言いますが好きです。好きです(大事なことなので) (2019年12月7日 17時) (レス) id: 3967b4b60c (このIDを非表示/違反報告)
卍エシラ(プロフ) - 赤狩りさん» そうですねすみません。ですが凶はkrしかかけないので凶とタグ付けるのも少し気が引けます。ですから説明欄にwrwrd＋αとしてkr先生がいますよと書かせて頂きます。検索避けをしていても直接的なタグを付けすぎると検索避けの意味がなくなってしまうんです。 (2019年12月7日 12時) (レス) id: 62414ec622 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：卍エシラ | 作成日時：2019年11月7日 23時
