第百九話 ページ10
A「ごめんなさいクロハさん。許して下さい。」
「んー、どうしよっかなー。」
現在クロハを説得中。
しかし、これは許してもらえなさそうな感じでしかない。
「じゃあ看病の報酬とさっきの罰を一緒にするってのはどうだ?」
「え…何それ、訳が分からな___」
私の言葉を遮って、クロハは私をベッドへ放り投げた。
それと同時にクロハは私に覆い被さる。
「こうしたいんだろ?Aも。」
当然私はパニック状態を上回る。
もう過激なライン突入しちゃったよこの子。
「ちょっ…離して!」
「やーだね。」
「くぅっ…。」
私が拒絶すると、クロハは耳をひたすら甘噛みしたり、首元に顔を埋めたりする。
もう羞恥心だけじゃなく、心自体がはち切れそうだ。
「クロハぁ…。」
「…分かったよ。離れりゃいいんだろ。」
私もさすがにこれ以上はきつかったのか、目尻に涙が浮かんできてしまった。
クロハもそれを察したのか、私の上からパッと離れた。
胸がチクリと痛む。
「悪かったって…ほら。」
すかさず私を腕の中に収める。
その度に再び安心感が訪れる。
「ん……クロハ…。」
安堵したのかクロハの名を呼ぶ。
「A。」
名前を呼ばれ、顔を少しばかり上げると、クロハの顔がかなり近くまで近づいた。
その瞬間、唇に生暖かいものが触れた。
「んっ……!」
後頭部を手で抑えられているので、当然逃げる事も出来なく、抵抗する事も出来なかった。
しばらく重なり合った状態が続き、息が切れそうになった時、クロハはようやく離してくれた。
そうはいったものの、息が切れそうだったので、私はこの状況を把握すると同時に、呼吸を求めるので精一杯だった。
「はあっ…はあ……。」
「ふーん。まだ刺激が強かったか。」
「じゃなくてっ…!何するの!!」
「何って…そりゃあキ」
「それは分かってるっ…」
そこで返事をしたところで、体がガクガクと震え出したのが分かった。
それと同時に、目に溜まっていた涙もボロボロとこぼれ始めた。
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作者名:Madicc | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/redwhite/
作成日時:2014年2月4日 14時