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第百七話 ページ8

クロハSide


ムカムカする。


俺の中でたちまち嫉妬の焔が立ち込む。


頭に来ると同時に、イライラが脳内に行き渡り頭が痛くなる。


『ちっ…あいつのせいで…。』


まあ、さっきの爆弾発言は聞かなかった事にしよう。


それはいいとして、いつまであいつはAと一緒にいる気だ。


早く、いや、永劫に部屋に入らないで欲しいほどだ。


いっそのこと、俺が割り込んでAを目の前で奪ってやろうか。


カノ「ねえ、A。」


A「何?」


カノ「Aもそんな風に人を想う気持ちとか、ってあるの?」


A「…つまりは、人を好きになるって事?」


カノ「うん。そういう事。」


突然奴がこんな事を言い出して、Aの答えはたちまち困惑気味になる。


A「うーん…それはちょっと言いづらいかな。」


カノ「そっかー。あんまりバラしたくないもんね。」


おい待て。


こいつは何を言っている。


つまりAに好きな奴がいるって事なのだろうか。


カノ「でもね、僕。」


『欺く』奴は溜息交じりに続けた。


カノ「たとえ僕の好きな人に好きな人がいたって、気持ちが伝わって欲しいんだ。受け取る事が出来なくても。」


A「……うん。…つまりは何が言いたいの?」


___まさかとは思うが、このシチュエーションには悔しいが簡単に予想がついてしまう。


カノ「他の人を見ていても、分かって欲しいんだよ。






___僕、Aが好きなんだ。」

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作者名:Madicc | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/redwhite/  
作成日時:2014年2月4日 14時

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