第百五話 ページ6
クロハSide
クロハ「………。」
ある程度眠ってから目を覚ますと、ベッドの隣でウトウトしているAを見かけた。
どうやらまだ完全には寝ていないようだ。
自分の額に手を乗せてみるも、さほど熱は酷くなかった。
身体もある程度しんどくはないが、まだ微熱程度の症状は残っているかもしれない。
この部屋は誰一人喋っていないのに、静寂感がしなかった。
むしろ誰かの存在感が高まっているような感じだ。
愛しいAの頭を軽く撫でると、Aはそれに少しだけピクッと反応した。
A「く、ろ…はあ……。」
唸るように声を出すA。
胸が締め付けられる。
後何日この日々を送っていられるのだろうか。
突然、ドアの反対側からノック音が聞こえた。
カノ「Aー?入るよ?」
その時、Aが起きるのをなんとなく予知していた俺は、寝返りを打って布団に被さるように目を閉じて寝たふりをした。
A「ん……うわあっ!ちょ…ちょっと待って!カノ!へ…部屋散らかってるから!」
Aはそう言うと布団を俺の方に勢いよく頭まで被せた。
正直熱い。
なんとかならないものなのか。
A「も、もういいよー!」
布団の隙間から少しだけ覗いてみると、Aは本を読んでいるふり。
おい、ガチガチし過ぎだろA。
そしてその隣には、『欺く』ヤツが入ってきた。
これはまた面倒な事になりそうだ。
1人がお気に入り
「アニメ」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Madicc | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/redwhite/
作成日時:2014年2月4日 14時