第百十六話 ページ20
クロハSide
クロハ「…ん……。」
前の事を考えていたら、いつの間にか寝落ちしてしまった。
寝る体制が悪かったせいで、体が少し痺れる。
クロハ「…ったく…あれからどうなったんだよ…。」
うっすらした意識ながらも、目の前の状況を確認。
殴られた跡がいくつかあり、倒れているカノ。
フン、と自慢げに自分の力を示しているかのようなA。
俺が起きたのに気が付くと、ハッとしてモゴモゴと呟き始めた。
A「あ…!えっと、これはその…!」
よほど恥をかいたのか、顔を真っ赤にして指を合わせる。
A「う…さっきは、ごめん。」
いきなり俺の予想を超えた言葉が出てきた。
A「なんか、いきなり突っ走って来るから…勢い余っちゃったというか…」
おい、それ半分俺のせいにしてないか。
___まあ、
クロハ「いい、別に。あんなもん日常茶飯事なものだし。」
Aだから許せる事だ。
A「はあ、良かったー…!ってか、クロハ、そんなところで寝てて大丈夫なの?」
同時に額に手を当ててくる。
A「わっ!熱上がってんじゃん!ほら、早く寝ないと!」
クロハ「お、おい。俺は別に大丈___」
A「病人がそんな事言ってちゃだめ!それに治ったからって動き回ってると、病み上がりとかでぶり返しちゃうよ?」
本当に無駄にお節介なやつだ。
クロハ「はいはい…寝るから静かにしてろ。」
A「う、うん…。」
Aは何かショックを受けたかのように急に萎んだ声になった。
クロハ「お、おい…俺なんか悪い事言ったか?」
A「…!な、何でもない!氷枕取ってくる!」
Aは逃げるように部屋から出たが、何か心で告げていた。
クロハ「…お前、散々だったな。」
苦笑いするよりも呆れてしまうカノの姿に声をかけると、ムクっと起き上がった。
カノ「いやー、別にこんぐらい大丈夫だよ!やっぱり君は、僕がいなくても大丈夫だったかな?」
ふと考えて、日が沈んだ外の方を見る。
クロハ「案外、そうでもないんじゃないか?」
部屋から出る前にAから聞いた言葉。
その言葉が、俺にとっては胸を弾ませるような言葉だったのかもしれない。
『もうちょっとだけ、クロハと話したいな』
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更新サボっててごめんなさい!
本気でネタ切れでした←
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作者名:Madicc | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/redwhite/
作成日時:2014年2月4日 14時