第百一話 ページ1
「……ん……。」
目が覚めると、そこはリビングだった。
私の体やリビングの床には、付いていた筈の血が跡形もなく消えていた。
周りの様子を確かめると同時に、あいつの姿を探してしまう。
すると、途端に目の奥が熱くなり、目の前にあいつの姿が現れた。
「A____」
あいつは微笑みながら遠ざかっていくようだった。
「う、あ………。」
これが幻、いや、私の想像だと分かっていても片手はあいつの方に向かっていき、涙は止まる事なくボロボロと零れた。
「……おい。」
後ろからクロハに声をかけられ、目の熱さがすっと引く。
「泣くなよ。な?」
クロハはしゃがんで涙を拭こうと手を目元に差し出す。
だが、その時心の中はクロハへの憎しみの色でしかなかった。
私はクロハの手を払い除けたが、泣いていたために力が入らなかった。
「…嫌、だ……ひっく」
涙はますます目から零れる。
「信じろって…俺の事。」
クロハは困惑の顔を見せながら、私を腕の中に収めた。
「クロハなんか…クロハなんかっ………。」
大嫌いだ、と言うところだが私にはもう声を張り上げる精神すらなかった。
「……ごめん。」
クロハは未だに困惑した表情だったが、こればかりはどうしたらいいのか、と思ったのか、その言葉は小さく呟かれた。
それと同時に、抱き締める力を強くした。
「うっ……うう……ひっく……」
私はクロハの腕の中で、ただひたすら泣く事しか出来なかった。
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分かりにくいので、解説入れました!
次から本編です!
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作者名:Madicc | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/redwhite/
作成日時:2014年2月4日 14時