Love*4-27 ページ27
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「どっちもはキツイだろ、って…また倒れたらどうするんだよ」
「大丈夫だよ」
「またそうやって、」
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はあ、と呆れたようにつかれるため息は
ちくり、と胸を刺して
じわじわと痛みが襲ってくる。
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「スケジュール調整してくれるって言ってたし」
「…」
「東京と大阪の間でどうにかなるよ、」
「は？大阪？」
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形の良い眉が、
怪訝そうに寄って、低い声で問いただされる。
うわ…余計なこと言った、と気づいたときにはもう遅い。
そこまでは知らなかったんだ、言わなきゃよかった…喧嘩したくないのに。
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「なんでもない、」
「A」
「……大阪公演が、あるの。1か月」
「断れ」
「なんで！」
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翔くんが、私の仕事に対して
こんな風に意見することなんて今までなかった。
少し引いた所で見ていてくれて、
辛い時にそっと手を差し伸べてくれて、私はそれに安心していたのに、
今回は仕事そのものを断れ、と言う。どうして。
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「なんで？逆に聞くよ、なんで受けた？
大阪で1か月なんて今回と同じようなもんだろ！」
「……せっかく、声掛けてくれたんだよ。」
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右も左も分からない、
全くの初心者だった私が板の上に立って、
周りの人に助けられて走り切ったあの舞台が評価されて再演が決まった。
浩樹くんも優馬くんも涼音さんも、続投の声が掛かるのは当然だ、
だって本業で、あの3人は歌も芝居も感情の乗せ方も魅せ方も、
役への分析力も入り方も、何もかも私よりずっと先にいた。
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3人を必死に追いかけて、
並ばなきゃともがいていた私は、どう頑張ったって"役者"にはなれなくて、
だけどそんな私に、再演のキャストとして声が掛かった。
そりゃ、"同情"とかそういうのも少しはあったかもしれないけれど、
"認められた"ことが嬉しかったのに、どうしてそんなに、切り捨てるような言い方をするの。
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「浩樹くんも、優馬くんも、涼音さんも、私以外のメインキャストはみんな続投なんだよ。
私が蹴ったら他の女優さんがその枠に入る。そんなの"負けた"みたいで嫌だもん、」
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"浩樹くん"と言う言葉に
彼は露骨に嫌そうな顔をしたけれど、やめなかった。
そもそも、それが良く分からない、
何もないって言ってるのに、彼は一向に信じてくれない。
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なんで、分かってくれないの。
どうして、来年は観に行くね、って言ってくれないの。
その一言だけでいいのに、どうして
そんなに、嫌そうな顔をするの。
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