Love*3-15 ページ15
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「、あぁ、つかれた…」
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中打ち上げから2日後、木曜日の夜公演。
何か食べてから舞台に立つべきだった。
楽屋に戻ると一気に気が抜けて、
思わず鏡台の前の椅子に座り込んでしまう。
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ゆら、と顔を上げて
綺麗に編み込まれたウィッグを取る。
地毛をまとめて入れていたネットも外すと、
ぱさり、と長い髪の毛が落ちた。
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重いドレスも脱いで、
とりあえず上からバスローブを羽織る。
肌ざわりがふわふわしていて、お気に入りのやつ。
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どうせ出待ちがいる間は帰れないんだし、
この後の仕事もないから、
ちょっと一休みしてから帰り支度をしよう、と
ぼんやり考えていた時。
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「工藤さん、」
「、」
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名前を呼ばれて楽屋に目を向けたら、
黒川さんが私を呼んでいて
ゆっくり瞬きをしながら首を傾げたら、
大野さんと松本さん来ましたよ、と教えてくれた。
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「…、あれ、今日だったっけ…」
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ぽつ、と呟いて、
卓上カレンダーをちらり、と見る。
ああ…そっか、今日だった、わすれてた。
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入っていい？と聞くのは、潤くんの声。
Aー、と私の名前を呼ぶのは、リーダーの声。
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よく聞く、聞きなれた声に心が落ち着くのがわかる。
ひょこり、と顔を覗かせたのは、
一瞬でプライベートだと分かる、2人。
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立ち上がりたい気持ちはあるけど、
気が抜けて、椅子から立ち上がれない。
顔だけ上げて、ありがとう来てくれて、とお礼を言う。
リーダーが、ふにゃん、と笑った。
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「すげえ良かったよ、」
「…ほんと？」
「うん、練習の成果出てた」
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潤くんが、優しい声で言ってくれる。
それは、私が一番欲しかった言葉だった。
泣きそうになるのを、ぐっと奥歯を噛んでこらえる。
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「頑張ったね、」
「、」
「がんばったね、A、」
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リーダーの大きな手が、
ぽん、と頭に乗って優しく撫でられる。
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ああ、嬉しい。
認められることが、こんなに嬉しいなんて。
口許を上げて笑ったら、一気に何かが崩れて、
ぽろん、と目じりから涙がこぼれた。
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なんだかもう、限界だった。
だけど、やっと一人で立っていた私を突き落とす気配がする。
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″嵐 工藤A 櫻井翔と破局か？！新恋人はイケメン俳優″
そんな見出しの記事がバラまかれたのは、
2人が来てくれた、ちょうど3日後のことだった。
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