しゅくだい。【8月2日】 ページ3
お昼にそうめんを食べて夏を感じたあと私は夏休み特有の憂鬱さに襲われていた。
「ぁぁあぁあ…」
「何してんの人のTシャツ着て」
普通の服に着替えるのが面倒で洗濯物にあった志麻くんのTシャツを着ている。
「夏休み課題があったことに気がついて絶望を感じてる」
「さっさとやっちゃい」
「そんな簡単に言って！！！おじさんにはどれだけ辛いかわかんないでしょうね！！」
「俺も通ってきた道です〜」
なんて優雅に雑誌を読んでいる。
くそ…この男…
「やらないっ！明日から頑張る！」
「そういうこと言う人はだいたい明日も言ってる」
そのまま15分。
ソファーで志麻くんの横に座りながら駄々をこね続けていた。
「部屋行くからどいて」
雑誌を読み終わったのか私にそう言った。
「やだ」
「じゃあ暑いからどいて」
「暑くない」
「Aは何をそんなに拗ねてんの」
「拗ねてないもん」
そうやって返す私は全く可愛くない。
ただ課題をやりたくないし、志麻くんとお話がしたいのにかまってくれないから。なんて言ったらかまってくれるんだろうけど私にそんな可愛いことはできない。
はぁ、とため息をついて志麻くんは…
「…ちゅ……これでいい？」
私の前髪をさっとどけておでこにキスをした。
「なっ…」
「顔真っ赤。ほら、課題やりな」
恥ずかしくなってすぐにソファーから自分の部屋へ逃げた。
は？何今の？！
手の甲を頬に当ててみると熱い。
そりゃ顔赤いわ。
心臓が飛び出てきそうなくらいドキドキしている。
ｶﾞﾁｬ
「A？」
「わっ？！」
「あ、ごめん当たらなかった？」
「大丈夫…」
急に志麻くんが部屋に入ってきてびっくり。
「体調悪い？」
「ちがっ…」
志麻くんが私の座っている目線に合わせてしゃがんでくるから、顔が近い。
さっきのキスから顔を直視することなんてできない。
「ほんと、かわいい」
「なにが…」
「キスして赤くなって自分の部屋に逃げるとことか、部屋行ったと思ったらうずくまってるとことか、俺の顔がしっかり見れない今とか、思ってること素直に言えないとことか」
なんだよ、全部わかってるんじゃないか。
「遊ばないで」
「遊んでない、いつも本気」
またこの人はこういうことを言って私を狂わせる。
「課題やる？」
「…やる」
「ん、いい子」
私の頭を大きな手で撫でる彼に思う。
あぁ、また作戦に引っかかってしまった。
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せせ@れいとうるぅれっと(プロフ) - 夏休みが来るからこれ読みにきたけど何回読んでも飽きない… (2021年7月11日 10時) (
レス) id: 83c428c2eb (このIDを非表示/違反報告)
れおなちゅ(プロフ) - 夜空さん» こちらこそありがとうございます！！ (2021年3月3日 19時) (レス) id: ca0a69caca (このIDを非表示/違反報告)
夜空(プロフ) - めっちゃ良かったです！！ありがとうございました！！ (2021年3月3日 19時) (レス) id: e4bf4be51b (このIDを非表示/違反報告)
乃々夏(プロフ) - れおなちゅさん» え、幻聴かな…？れおなさんに『おめでとう』を言われた…？いやいや、まさか。 (2021年2月8日 20時) (レス) id: e426f8e368 (このIDを非表示/違反報告)
れおなちゅ(プロフ) - 乃々夏さん» ありがとうございます！！！！卒業！！おめでとうございます！（はやい）またこういう作品かけるように時間作らないとっ！！ (2021年2月8日 20時) (レス) id: ca0a69caca (このIDを非表示/違反報告)
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