浦島坂田船でただただ妄想を膨らませるやつ【短編集】 (ページ43)

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デート【うらた】ページ43

今日は久しぶりのデートだ。

最近お互い時間がなかったからすごく楽しみ！！
少しでもおしゃれしたくて新しいワンピースも買ったし友達にヒール借りてきちゃった！

かわいいって思ってくれるかなぁ…

『うらた、いこ！』

「！…おう」

なんも言ってくれないんだ…ちょっと残念だけどそれがうらただよね。
まぁしょうがないか…

カフェに行ってうらたの服を見に行った。
そのあとアクセサリーのお店に行ったりしてすごく楽しい一日を過ごしていた。

そういえば今日は休日。
すごく人通りが多くてうらたを追いかける。

人少ないとこまで通り抜けちゃおうってなったけど履きなれないヒールだしなかなか難しい。
人の少ないとこまで来てうらたと目が合う。

急がなきゃ…っ！

『きゃっ』

「A！」

靴擦れをかばって早歩きしていたら段差に気づかなくてこけてしまった。
かっこわる…はずかし…

すぐに立ち上がって笑って見せた。

『いたた…久しぶりにこけた…w』

「ばかかよ…ほら、のって。」

『…え？』

「おんぶ。歩くの痛いだろ」

『血ついちゃうよ、大丈夫だよ歩けるから！』

「うるさい早くのれ」

イライラした感じでいううらた。
せっかくのデートなのにこんなのだったらだめだよね、もしかしたら嫌われたんじゃないかな…

不安でいっぱいの私を背負って近くの公園まで連れてってくれた。

ベンチに私を座らせて、うらたは荷物を置いてペットボトルだけをもってどこかへ行ってしまった。
全く話さないうらた。怒ってるかな…

水を入れて戻ってきたうらた。
「痛いと思うけど我慢しろよ」

そう言って水をかけて汚れを流すうらた。カバンから絆創膏を取り出して膝に貼った。
それに加えて靴擦れのところにも貼ってくれた。

そしてうらたはしゃがんだまま私の方を向いてこう言った。
「珍しくヒール履いてるから靴ずれしたとき用に絆創膏は持ってたけどまさかコケるとは思ってなかった。今日のワンピースも新しいやつでしょ。可愛い。でもここまでしなくてもいつも可愛いんだから何もしなくていい。膝の跡残ったらどうすんの。でも、いつも可愛いけどいつもより可愛い、というか美しい。」

最後になるにつれ声が小さくなっていくうらた。心配しつつ私を褒めるところもすごくかわいい。

『ごめんね、ありがとう…』

「ん。歩けるならゆっくり帰るぞ。」そう言って手を出してるうらた。
その手に自分の手を重ねて家まで歩き出した。

【リク】