浦島坂田船でただただ妄想を膨らませるやつ【短編集】 (ページ42)

今日:10 hit、昨日:22 hit、合計:654,037 hit

華金【センラ】ページ42

いつもより早く終わった仕事。
彼女とのラインを開くと…

A今日は早く帰れそう

ときていた。
迎えに行こう。

華の金曜日。疲れた体と心を癒してくれるのはAしかいない。

Aの会社付近で待っておこう。

ラ会社の近くにおるな

既読はなかなかつかない。
ブラックなとこに働いてるからなぁ。
いつもほんま頑張ってる。

どっかご飯でも連れて行こうかな。
やっぱ疲れてるなら家でご飯か？

んーっと考えてる間に30分が経っていた。
ビルの方を見ると玄関から数人の人たちと共にAが出てきた。

Aの周りにいる人はほとんどが男。
どういうことだよ。
とりあえず走って玄関へ近づく。

「A！！」

『センラくん！』

「彼氏？」「え、あの噂の？」「ひゅーひゅー！」

噂のってなんだよ。
ここでとりあえずこの男たちにマウントは取れた(確信)

『そうそう、彼氏だよ。それじゃ、お疲れ様！』

他の人たちと別れて二人で歩き出す。
沈黙がなんだか怖くて話し出す。

「おかえり」

『ただいま。疲れたよー』

「よく頑張りました！」

『ねえ今日ご飯何がいい？』

こんな日でも作ろうとしてくれてるんだ。
素敵な嫁になりそうやなぁ

「今日はセンラが作るよ」

『え？！ほんと？？！』

「Aのことめっちゃくちゃ癒やすわ」

『えー！たのしみだなぁー』

上を向いてそう言うAはやっぱり可愛くて、会社内でも人気なんだろうなという嫉妬というか何かわからない感情が頭をぐるぐる回っている。

家につくとソファーに倒れ込むA。早く変えるために頑張ったんだろうなぁ。
そんなAのために好物のオムライスを作ることにした。

「Aできたー！」

オムライスが完成してAの名を呼ぶとかえってこない返事。
まさかね…と思いソファーを見てみると手をぶらんと下に垂らして寝ていた。

まぁ疲れてたからしょうがないか。
明日食べればいいし…！

寝ているAを抱き上げて寝室へ運んだ。
コートをハンガーにかけ、布団をかけてあげた。おでこにキスをしてつぶやく。

「今日もお疲れ様。大好きやで」