浦島坂田船でただただ妄想を膨らませるやつ【短編集】 (ページ27)

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後悔①【うらた】ページ27

Aを怖がらせて俺にすがりつく、そのまま襲う計画。

ただ怖がらせようとして借りてきたホラー映画がこんなに怖いなんて聞いていなかった。

「こっっっっわ」

『なんでお風呂入る前に見たの』

「流石に笑えない」

『どうすんのお風呂』

「マジで怖いねれない」

『鏡見たら絶対見えるやつじゃん』

「誰か呼ぶか」

『ちょっと！！！！』

「わ！！！なんだよおっきい声出すなよマジでビビった死ぬ」

『さっきから会話成り立ってないの』

「怖すぎて会話どころじゃない」

『うらたが借りてきたのになんでそんなビビるわけ？』

「そんな怖いと思ってなかった」

『うわーよくある言い訳』

「坂田呼ぶか…」

『ほら、会話成り立ってないじゃん』

怖すぎて二人でいると寝室までもいけない俺らはソファーから一歩も動いていない。
とりあえず坂田を呼ぶことにした。

「もしもし？」

坂「はいはーい」

「15分後俺んち集合」

ブチッ

『強引だね』

「それぐらいしねえと来ねえよ今の時間」

すると15分後しっかりきた坂田。

坂「いい歳した大人がホラー映画見て怖がって友達呼ぶとかありえへんからな？」

そのとおり。

『こわすぎて寝れない』

坂「Aちゃん怖がりやのに強がりやけど彼氏の前では弱いなぁ」

『は？うるさすぎるんだけど誰これ呼んだ人』

俺へのあてつけひどすぎて笑う
しかも坂田とばっかりいちゃいちゃしてるんじゃねえよ。

『もう今日はここで3人で寝ようよ怖すぎてあの部屋なんか出そう』

こんな怖がってる彼女といちゃいちゃしてるところを逆に見せつければいいんじゃねえか？！

「誰かに抱きしめてもらったら少しはは楽になるんじゃね」

このままじゃあハグしてよってくる最高の計画。俺らしい超遠回りな言い方だし超遠回りな計画だけど。

『あー少しでもってことか。坂田くんやって』

は？

「は？」

坂「いいん？」

『いいけど』

「は？」

『怖がってる人にハグなんかされたら霊よってきそうで怖い』

坂「いくで？」

『ん』

「ばかっ！やめろよ！！坂田もういい帰った帰った」

坂「お前ー呼んだくせに！！」

「それについてはまたお礼するから帰れ帰れー！」

坂「まぁええけど〜」

ニヤニヤしながら出ていく坂田。
とりあえず元凶に話をきこう。

「お前何考えてんの？」

『なにが？』

この悪気のなさそうな顔。
絶対に俺のこと考えてない。