【東京喰種】【宇井 郡】貴方の隣にいたくて。

歯車の狂いは。2 ページ19

郡side



「…っ、もういいっ！知らないっ！」



「ごめん、謝るから！待って、話聞いてっ、ごめん。ほんと、そんなつもりはっ…！！」



***




もう混乱して、訳も分からず口に出した言葉は、先のことなど考えてない言葉。



そして、確実にAを傷つけた言葉。



後から必死なAの声が聞こえても、胸が締め付けられて、目頭が熱くなるだけで。



言った手前、後戻りもできなくて。



「ほんっと、意味わかんないよっ…」




自分も…Aも…


分かってる、心配させたくなかった、って言うのは頭では理解してるんだけど。


頭ではちゃんと理解してる筈だから、何とか収めようとするのに、




「嘘、左上に若干目をそらした。それ嘘つく時の癖だよ。」




なんて言うから。



Aのことは知らなかったのに、自分が気づいてないとこまで気付かれてたとか。



あぁ、相手を知っている《つもり》でいたのは、私だけだったんだ。



Aは私が気づかなかった所まで気付いてたけど、私は、そんなこと無かったんだ。



嘘だって見抜けない。



エイプリルフールだってすぐ騙されて。



…私は‘幼馴染’の枠に安心しすぎていたんだ。



あぁ、お願いだから。ねぇ、神様どうか…




「っ、彼女の全てを知りたい、というのは強欲ですか…？」

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