せんぱい2 ページ3
「えっと……？」
今日は流星隊のプロデュースで、わたしは噴水まで深海先輩を迎えに来ていた。
そこに守沢先輩がやってきて、それで。
「ちあき〜、いわないんですか？」
……と深海先輩が言った途端、彼は公の場で告白……？したのだ。
「え、と……？」
守沢先輩は顔をゆでだこのようにまっかにして、今に湯気が噴出しそう。
下唇を噛んで、瞳を潤ませている。
これはきっと守沢先輩にとってとっても勇気のいることだったなんて言われなくてもわかる。
でも……。
「ご、ごめんなさい……」
わたしがそう言うと、深海先輩の笑顔が固まる。
目の前の守沢先輩の顔が冷えていく。
同時に瞳の中が大洪水。
「わた、わたし、あんずちゃんがすきなので……付き合うことはできないです」
守沢先輩は信じられないという顔をする。
いつもの豪快な笑みが嘘のように顔を歪ませる。
拳にぎゅっと力がこめられた。
木々が呼吸をやめるように葉を揺らすのをやめる。
音もなく葉が噴水の水面に着水した。
「そ、そうか……困らせてすまなかったな！！」
さっきまでの歪んだ顔が嘘のように、守沢先輩はまた大きな声で叫ぶ。
深海先輩がつらそうな顔をして、わたしに言い放った。
「Aちゃん、あんずさんは『おんなのこ』ですよ〜？」
守沢先輩が深海先輩のほうを見て、ちいさな声、否、声にもなっていないような声で「か、かなた」と言ったようにに見えた。
わたしは今どんな顔をしているんだろう？
首をかしげるとツインテールが揺れる。
深海先輩の緑色の瞳と視線が交わる。
「わたしが、おんなのこがおんなのこをすきになっちゃだめなんですか？」
続く (更新停止中)
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作者名：さくちゃも | 作成日時：2018年11月11日 14時
