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｢A…？起きとる？｣
部屋の主が眠っている可能性も踏まえて、できるだけ静かにノックをする。
あのあと、重くなった部屋の空気に耐えかねたグルッペンが俺たち3人を部屋から追い出してあえなく解散、という運びとなった。
コネシマはさっさと行ってしまったので分からないが、ショッピくんはやけに沈んだ表情をしていた、と思う。仕方ない、直接的じゃないとはいえ、自分に原因が少なからずあるとなれば、きっと俺かて同じくらい落ち込んどったはず。
｢…シャオロン。｣
｢うん。｣
｢シャオロン。わたし、｣
｢うん。｣
扉越しに聞こえる声色は、やっぱりいつもと同じものだ。
｢わたし、泣けないんだわ。｣
泣き方がわからないの。大切にしたいのに、しかたがわからないの。
おかしいわ。こんな、困ったことなんかなかった。摘んで、食べてしまえばそれで満足できたの。どうしたらいい？
ーーおもわず、断りも入れず開け放った先の部屋にいたAは、たどたどしく紡いだ言葉と裏腹にずっと同じ顔をしていた。
ベッドに座り込んだAに駆け寄って、でもいまの俺にできることなんかひとつだってない。よく口がまわる大先生なら、気の利いた言葉がかけれただろうか。あるいはオスマンなら、優しく背中をさするくらいはしてやっているかも。
言って楽にしてやりたい。泣けへんのはお前のせいとちゃうよ、そういうふうにデザインされとるからやで。けれどそれを言ったとて、楽になるのはきっと俺だけ。
｢あんなあ、上手く言えへんけど、聞いてくれる？｣
｢…なあに。｣
｢俺、Aのこと好き。楽しいことも美味しいもんもいっぱいあるって教えてやりたい。仲間のええとことか武勇伝、まだ言えてないこといっぱいあんの。｣
｢せやから、諦めんでや、絶対。｣
なにを、とは言わない。
俺も探すからさ、いっしょに。
仕方のないこととはいえ、Aに隠し事をするのが思ったより辛い。後々、嘘が露呈したとして、Aはなんともない顔をして許すのだろうということが分かっているからなおさら。
｢…なんでシャオちゃんがないてるの？｣
｢うるせー！お前のぶんまで俺が泣いたるねん！！｣
｢へんなの。｣
｢うわーーん！！｣
とうとうベッドサイドに顔を突っ伏して本格的に泣き出してしまったからシャオロンから見えることはなかったが、そのときのAの顔は確かに、
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哀(プロフ) - 左原さん» 感想ありがとうございます！すごく嬉しいです...手汗がとまらない...これからも読んで頂けると幸いです！ (2018年6月2日 17時) (
レス) id: 037484ccd3 (このIDを非表示/違反報告)
左原(プロフ) - 文章も設定も凄く素敵で大好きです... (2018年6月2日 11時) (レス) id: 28700181e9 (このIDを非表示/違反報告)
哀(プロフ) - 朝霧さん» わーい！お気に召したようで嬉しいです！コメントすごくありがたいです...頑張りますね！ (2018年5月25日 23時) (レス) id: 037484ccd3 (このIDを非表示/違反報告)
朝霧 - 待って、、、こーいうの好きなんやけど、、、ああ！申し遅れましたねェ、朝霧言いますー、ほんまこういうの好きですゥ！頑張ってください！ (2018年5月25日 12時) (レス) id: 3d4e8d6b36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：哀 | 作成日時：2018年5月20日 19時
