13、くゆる紫煙 ページ41
目がさめる。天井はまるで知らない天井、ではなく、れっきとしたわたしの部屋。
いやなゆめを見ていた気がする。喉は枯れているし、汗で肌に衣服が張り付いてきもちわるい。
｢…うぅ、｣
見渡した部屋は殺風景で、今朝出ていったときとなんら変わりはない。それがどうにも、あの国での私室を思い起こさせて、たてた膝に顔を埋めた。
汗をかいているのに寒気がする。こんなみっともなく縮こまるわたしは、果たしてまた兵器として機能するのかしら。
シャオロンにけがをさせた。
傷の大小なんかは関係なく、その事実だけが胸につっかえている。
シャオロンはよく、わたしに話をしてくれた。
部屋をひとつひとつ紹介してくれて、ここで誰々が何をやらかしたんだとか、他愛もないはなしから自分の出自まで。
所謂ヘイハイズ、とよばれる彼は自分を見初めてくれた唯一であるこの組織の役に立ちたいのだ、と。そのためなら命すら惜しくない。まぶしいくらい真っ直ぐなかがやく瞳を、まもりたいとおもった。はじめて抱いたこの感情を大切にしたかった。
｢わたしは、ひとのまねごともできないというの。｣
ただ、わたしも同じものを返したいだけなのに。
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哀(プロフ) - 左原さん» 感想ありがとうございます！すごく嬉しいです...手汗がとまらない...これからも読んで頂けると幸いです！ (2018年6月2日 17時) (
レス) id: 037484ccd3 (このIDを非表示/違反報告)
左原(プロフ) - 文章も設定も凄く素敵で大好きです... (2018年6月2日 11時) (レス) id: 28700181e9 (このIDを非表示/違反報告)
哀(プロフ) - 朝霧さん» わーい！お気に召したようで嬉しいです！コメントすごくありがたいです...頑張りますね！ (2018年5月25日 23時) (レス) id: 037484ccd3 (このIDを非表示/違反報告)
朝霧 - 待って、、、こーいうの好きなんやけど、、、ああ！申し遅れましたねェ、朝霧言いますー、ほんまこういうの好きですゥ！頑張ってください！ (2018年5月25日 12時) (レス) id: 3d4e8d6b36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：哀 | 作成日時：2018年5月20日 19時
