あの子は疑問を抱いてる ページ2
「ねえペトラ?」
「まずはその口についたパンくずをどうにかしてくれるかしら」
彼女が服の袖で口を拭く前に私は自分のハンカチを手渡す。
ゴシゴシと口の周りを拭いた彼女はありがとう、と何の悪びれもなくコーンスープとパンくずの付着したハンカチを私に返した。
「…それで?」
汚れた面を内側にハンカチを畳み直しながら彼女に話の続きを促す。
パッと表情を明るくしたかと思えば何かを考え込むかのように目を伏せた彼女を忙しい同期だなあなんて見つめていると、意を決したかのように一言。
「リヴァイ兵長はさ、どうしたら私に振り向いてくれるんだろう」
「知らないわよ」
「ええええ!もうちょっと考えてくれても、」
ペトラぁあと私にすがりつく彼女をたしなめながらどうせそんな事だろうと内容を踏んでいた私は小さくため息をついた。
「じゃあ逆に聞くけど、A?どうして兵長は貴女に振り向いてくれないんだと思う?心当たりくらいあるんじゃあない?」
「全く無いわ」
「かなり重症ね」
そして私は二つ向こうのテーブルで、絡んでくるオルオに眉をしかめながら食事をする兵長を見つけこう思うのだ。
(この子は骨がいりますよ、兵長。)
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作者名:yu | 作成日時:2016年6月26日 2時