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白い髪の少女が、また僕の目の前にたたずんでいる。
ぼうっとした何の感情も見えない瞳に、ひどく細い体。黒い服の袖から伸びる腕で折れそうなほどに細く、そして人間ではないかのように真っ白だった。
これは夢だ、とその少女を認識すると同時に理解した。
なぜなら、この少女は現在、水色の透き通るような僕と同じ髪の色をしているからだ。
目はこんな風に無感情で何も映していない瞳ではなく、海のような深い青と空の色を交えた色をしている。
背ももっと高くなって、声にも甘さと威厳のようなものが増した。
僕に対してはちょっぴり説教することや注意することが多くて、母のようなまなざしを向けることも多くなった。
だからそう、この子は僕の夢の中で作られた産物にしか過ぎなく、
そして僕の記憶の中にある彼女の最初の姿なのだということはわかっていた。
夢は、夢を見る人物の記憶から成り立っていると言われている。
知らない土地や知らない場所、知らない人物は夢に登場しない。だから僕はこの少女のことを知っていたし、この少女の作る表情も、声も、僕に向ける静かで冷たい感情も知っていた。
「……A」
彼女の名前をひとつ、呼んでみる。
すると、目の前の少女は暗く陰りのさした瞳をのろのろと僕の方へ向けた。
久しぶりに名前が呼ばれたというような、とてもおぼつかなく慣れていない仕草だ。
「………………なんでしょう、黒子さん」
それは、機械がしゃべっているみたいな、ぎこちない言葉だった。
自分も“黒子さん”だというのに、他人行儀な呼び方をして、ふと僕から視線を背ける。
目を合わせてしゃべることもあまり慣れていないらしい。
黒いワンピースに、白い髪がふわりと落ちる。そこには色のないモノクロの世界が広がっていた。まるで彼女の心の中のような、記憶の中のような、とても寂しい世界だった。
僕は彼女の髪にゆっくりと触れた。
彼女の世界に、僕の色を入れてみようと、心のどこかで思った。
「君は、たくさんの記憶をなくしてきたと聞きました。
そして、たくさんの人が貴方から離れていったと、聞きました」
「…………。」
感情のないはずの瞳が、静かに揺れた。
眉のひとつも動かしていないのに、泣いているように見えた。
「僕は絶対に、離れていきません。傍にいます。
＿＿＿＿＿＿貴方の兄として。」
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堕天使ルイ - なんか、ちょっと内容が分からなくなってきました。自分の理解能力の無さでw 続き楽しみにしてます。更新頑張ってください。応援してます。 (2018年3月20日 21時) (
レス) id: 3344530ea6 (このIDを非表示/違反報告)
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