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ぼんやりと見ていたおは朝の占いコーナーだけど、案外覚えているものだなぁ、なんて思う。何故覚えてるのかは、まぁこの際置いておく。そのうち忘れるだろうから。
それよりも、そう言えば彼の友達はここらじゃ有名な変人だった、と思い出す。
確か、名前は緑間真太郎。
かなりの秀才で、バスケがべらぼうに上手いとか、何とか。
「友達のアイテム探し、してたんだね」
ふと口をついて出た言葉に、高尾くんがピタリと動きを止め、それからたはは、と笑った。
「いやさぁ、一応高校の同級生何だけど。あいつ昔っからそーゆー感じでさ。何つーの?馬鹿真面目ってやつ?だからなんか放っておけなくてさー」
「あぁ……そうなんだ」
「そーそ。高校の時なんか、ラッキーアイテム無いだけで一日中大騒ぎで先輩達にも迷惑かけてたわ!いやー、あれは笑った笑った」
「それは……ちょっと、笑い事じゃないんじゃ」
「ま、自業自得な部分もあったし?確かに変人で、面倒くさくて、……でも、バスケだけは俺とウマが合うし、何より俺達のエース様だったからな」
友達があまり多くない、と言うよりいないに等しい私に話しかける奇特な彼は、どうやらその私も知り得ない計り知れないほどの変人と共にいたからだったのかと思うと、複雑な気持ちだ。
まるで私まで変人みたいじゃない、なんて。
「……で、どうして私にその話を?」
「何でって、何でだろ……?いや、何か、良く分かんねえけど……ほら、あるだろ?気づいたら語っちゃってましたー、みたいな?」
「ないよそんなの……」
「ま、気にすんなって」
彼はそう言って踵を返し、席に向かって行ってしまった。
***
複雑だ。
不快では無いけど、とにかく複雑な気持ちでいっぱいだ。
私の周りに、もっとまともな人はいないのだろうか。そう思ってしまうのも、仕方ないのかもしれない。
教授の講義が終わって早々、帰ろうとしていた私の腕を捕まえたのは、誰あろう彼、高尾くんだった。
「なんか、真ちゃんの話してたら会わせてみたくなってさ!このあと時間ある?付き合ってくんね?」
まるで拒否権はない、と言わんばかりに強引に引きずられ、教室中の大注目の的となりながら退室したのが十分前だ。
「帰りたい……」
そんな私の呟きは、目の前で高尾くんを怒っている緑髪の___緑間真太郎、彼の怒声で掻き消されたのだけど。
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堕天使ルイ - なんか、ちょっと内容が分からなくなってきました。自分の理解能力の無さでw 続き楽しみにしてます。更新頑張ってください。応援してます。 (2018年3月20日 21時) (レス) id: 3344530ea6 (このIDを非表示/違反報告)
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