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81話 ページ23

葛葉
「母さん、Aのことお願い。」

自分で何とか出来ないからか少し唇を噛む葛葉に撫でてやると満更でもない顔をしていて少し面白かった


ドーラ
「任せて。あたしも思うところはあったし、いい機会だと思うよ」



葛葉と二人で外に出ると叶さんと一緒に話していた





「すぐそばで待機してるので何かあれば教えてください」






ドーラ
「ありがとう」



『ありがとうございます』





Aちゃんに目線に合わせてしゃがむ。




彼女の表情は少し迷いが感じられる




ドーラ
「Aちゃん本当は女の子でデビューしたかったんじゃない?」


彼女の透き通った瞳が揺れる


『え・・・なんで・・・』



ドーラ
「だって、迷いがあるみたいだったもの・・・心のずっと深いところだけど」




『でも、私・・・』

ドーラ
「ここには叶さんと葛葉もいるけど、聞かないでいてくれるから、私だけに本音言ってもいいんだよ」




『本当は・・・

女の子でデビューしたかったです・・・グスッ



でも、女の子でいれば・・・グスッ


ハヤト兄や灰くん達と関わることができないって言われて・・ヒック



楽しいのは事実で、でもやっぱり・・・』




ドーラ
「そうだね・・・それで本音押し殺しちゃったか・・・



んー・・・葛葉ー」



葛葉
「なにー?」


ドーラ
「叶さんと一緒に衣装とか考えてくれる人に、この子の新衣装女っぽいデザイン中心に用意してあげて欲しいって言ってきて」




「僕が行ってくるので葛葉はここに居て」

やはり彼は葛葉のことをよく見てくれてる。



『ごめん・・・なさい・・・私が・・・弱いばっかりに』




ドーラ
「大丈夫だよ。むしろよく今まで頑張れたね」




『でも・・・どうすればいいんでしょうか結局・・・』




ドーラ
「2週間このまま続けて、もし、自分がまだ迷ってるのであれば公表する形にしてみない?



無理に続けても疲れちゃうよ・・・?」





『ごめ・・・』


口を優しく手で塞ぐ


ドーラ
「それ禁止。




Aちゃんは優しいから他人の気持ちを第1に考えてるんだよね黛さんにも悟られないくらいさりげなく。



葛葉ね、お見通しだったよ。」



ちらっと葛葉の方を見て言う


『え?』






葛葉
「母さんそれ言わない約束!!」




ドーラ
「あたしやだよ葛葉の手柄なのに自分の手柄みたいにするの・・・」



『葛葉くんどうして・・・』

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作者名:ある | 作成日時:2021年9月8日 2時

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